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人々の健康に対する国境を越えた脅威に対応するため、我々は台湾に住む2,350万人の健康を守ると同時に、国際社会への貢献により積極的に取り組む用意がある。台湾は長年にわたり、国際的な公衆衛生体系や協力の枠組みに積極的に参加してきた。これからもパンデミックへの対応、疾患に関するモニタリング、人道支援、医療分野での技術革新などで、高い能力と責任感を示していきたい。
AI医療の分野について言えば、台湾はすでに疾患予防、医療画像診断や臨床判断のサポート、医療資源の管理など多岐にわたる分野でAIを導入し、医療の効率性と患者のケアの質を大きく向上させている。さらに、高齢化社会を迎える中での現実的なソリューションも提供している。台湾はまた、各国との協力と交流に積極的に取り組み、こうした医療分野へのAI導入の経験と成果を共有している。
しかしながら、台湾は長年にわたりWHOおよびその年次総会であるWHAから排除されている。これは世界の衛生協力体制に空白を生じさせている。また、台湾の経験と専門性が十分に活かされずにいる。健康は基本的人権である。政治的要因による影響を受けるべきではない。包摂性と協力があってこそ、より強靭なグローバルヘルス体制を築くことができるからだ。
中華民国(台湾)と中華人民共和国は互いに隷属していない。これは台湾海峡の客観的現状であり、国際社会が公認する事実である。国連総会第2758号決議(1971年に採択された、いわゆる「アルバニア決議」)およびWHA第25.1号決議はいずれも、台湾に関して何ら触れておらず、台湾を代表する権限を中国に与えたわけではない。これらの決議を根拠に台湾のWHO参加を拒むことは不当である。民主主義による選挙で選ばれた政府だけが、国際組織やその他の国際会合で台湾を代表することができるのだ。中国がこれに干渉する権利はない。
台湾がWHO総会に有意義な参加を果たせるよう、国際社会には引き続き理解を求めたい。台湾のWHO総会参加は、今年の年次総会のテーマである「One World for Health」の実現に向けた大きな一歩となるだろう。台湾はすでに、より安全で、より健康で、より公平な未来を築くために、世界と肩を並べて歩む準備を整えている。