2025/06/07

Taiwan Today

外交

外交部の呉政務次長、仏日刊紙に「民主的な台湾は権威主義体制の中国にとって挑戦的存在」

2025/05/23
外交部の呉志中政務次長(=副大臣、右)はこのほど、フランスの日刊紙『ル・テレグラム』の記者Pierre Coudurierによる取材を受けた。呉政務次長は、台湾海峡両岸の緊張状態が続いている根本的原因は、台湾が華人社会で民主制度を定着させたことが権威主義体制の中国の主張に真っ向から挑戦するものだからだと説明した。(外交部)
外交部の呉志中政務次長(=副大臣)。(写真:外交部)
外交部の呉志中政務次長(=副大臣)はこのほど、フランスの日刊紙『ル・テレグラム』の記者Pierre Coudurierによる取材を受けた。その内容は5月21日付けの同紙に掲載された。呉政務次長はこの中で、台湾海峡両岸の現状を作り上げている根本的原因や、中国の台湾に対する脅威の本質などについて語った。呉政務次長の発言の概要は以下のとおり。
 
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台湾海峡両岸の緊張状態が続いている。その根本的な原因は、華人社会でも民主制度が有効的に機能するということを台湾が証明したことにある。それは、「権威主義体制のみが中国の人民に福祉をもたらすことができる」とする中国共産党の主張に真っ向から挑戦するものだ。習近平氏は政権を掌握して以来、台湾統一をより積極的に推進している。それによって太平洋地域における中国の主導的地位を拡張し、ひいては国際秩序を再構築しようと企んでいるからだ。2027年は中国にとって人民解放軍の建軍100周年に当たる。北京当局はいままさに軍事力の近代化を加速させており、2027年を台湾への武力行使の重要なタイミングと考える可能性は高い。
 
軍事的リスクについて
短期的に見て、台湾海峡をはさむ両岸間で武力衝突が発生する可能性は高くない。しかし、台湾は決してその脅威を過小評価しておらず、防衛力強化への揺るぎない決意を示している。近年台湾は防衛力強化に力を入れ、国防予算の増加幅は80%となり、政府の総予算に占める比率は約17%に達している。現役の軍人は18万人に上る。これは一部の欧州諸国を上回る規模であり、備戦の実力が盤石であることを示している。
 
米台軍事協力
米国は一貫して、台湾にとって最も堅実な戦略的パートナーであり、米国の台湾に対する支持が揺らぐことはこれまでもなかった。台湾が海外から購入する武器の主な調達先は依然として米国であり、双方の軍事協力はこれからも深化するだろう。
 
台湾が直面する危機は中国の浸透
中国による台湾への浸透工作は、台湾が現在直面するリアルな危機となっている。北京当局は台湾の政府の統治能力を弱体化させ、その防衛システムの運用を妨害し、外交的に台湾を孤立させようとしている。現在、台湾社会は中国の浸透工作による危険性を高く認識している。政府は国の安全保障につながる法制度の強化や社会の防衛レジリエンスの向上などに力を入れながら、偽情報やスパイ活動などを織り交ぜた中国のハイブリッド戦術による分断工作に対応し、台湾の民主制度と社会の安定を必死に守っている。
 
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『ル・テレグラム』は仏ブルターニュ地方を代表する日刊紙。その報道は地方ならではの深みと全国的視野を兼ね備えたものであり、フランスの世論に強い影響力を与えている。
 

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