2025/06/24

Taiwan Today

外交

蕭美琴副総統、ノルウェー公共放送NRKのインタビュー受ける

2025/06/20
蕭美琴副総統はこのほどノルウェー国立放送株式会社(NRK)の単独インタビューを受けた。蕭副総統は、台湾海峡の安定と安全を損なう行為はいずれも、インド太平洋地域全体の安定を揺るがすことになると警告した。(総統府)
蕭美琴副総統はこのほどノルウェーの公共放送、ノルウェー国立放送株式会社(Norsk Rikskringkasting AS, NRK)の単独インタビューを受け、台湾海峡の安定と安全を損なう行為はいずれもインド太平洋地域全体の安定を揺るがすことになると警告した。蕭副総統の発言の概要は以下のとおり。
 
「戦う猫」というニックネームについて
ネコはオオカミ(中国の外交姿勢は戦狼外交と呼ばれる)よりもずっと可愛く、機敏で柔軟性があるなど優れたバランス感覚を持つ。台湾の人々は情熱的で寛容で、善良なパワーを形成している。台湾は国際社会と関わりながら自らの原則を守っていきたいと願っている。そのためには強靭性(レジリエンス)と機敏さを保ちながら、実務的にその複雑な環境に対応していく必要がある。粘り強いことのたとえとして「猫に九生あり」という英語のことわざ(A cat has nine lives)があるが、台湾もそのようにしなやかに生きる必要がある。
 
中国による軍事演習やロシアのウクライナ侵攻について
世界は複雑だ。ロシアのウクライナ侵攻は台湾に対して、決して現状に満足してはならない、平和を当たり前だと思ってはいけないという警告を与えた。中国の軍事行動はエスカレートする一方だ。また、偽情報の拡散、心理戦、政治的干渉、経済的威圧といった「ハイブリッドの脅威」もある。台湾は一層努力して国防を強化しなければならない。台湾の最終目標はあくまで「衝突の防止と情勢の安定」であるが、自身の実力を確立してこそ平和を守ることができるのだと理解している。同時に、全世界にとって意義のある安定と現状を維持するために、対話のチャンネルを開いておくことも重要だ。
 
ウクライナの経験が教えてくれたこと
ウクライナの経験から、台湾はより多くの新興技術を開発し、民間企業の能力を活用して社会全体のレジリエンス(強靭性)を高める必要があることを学んだ。このレジリエンスは軍事面や安全保障面だけでなく、社会全体に関わるものである。台湾海峡の安定と安全を損なう行為はいずれも、インド太平洋地域全体の安定を揺るがすことになる。また、台湾のレジリエンスは世界のテクノロジーのこれからの発展を左右し、人類の生命、平和、安定、民主主義、自由といった基本的尊重の確保を助けるものになるだろう。
 
台湾と中国の対話について
台湾が独立した社会であることは明確なことであるため、現状を変えるには民主的な方法によって台湾の人々の同意を得る必要がある。中国は、民主的な選挙で選ばれた台湾の政府に対し、様々なレッテルを貼って攻撃しているが、それは何一つ実質的な利益をもたらさない。また、台湾内部にある親中国勢力と結びついて活動することは、破壊的であるだけでなく非建設的だ。対話の決定権は北京にある。台湾は現状維持を主張している。これは全世界のステークホルダーの多くが支持する状態だろう。北京当局の指導者は認識すべきだ。台湾の人々が民主的選挙で選んだ政府と、尊厳ある対等な対話を通してこそ、本当の意味で両岸関係を改善できるということを。
 
トランプ米大統領によって台湾が米中交渉の取引材料にされる懸念について
台湾の未来は、台湾の人々が民主的な方法で決定すべきだ。しかも台湾は、米国の経済発展と再工業化にとって極めて重要なパートナーだ。台湾はこれからも、こうした共通利益のもとで米国との協力を継続し、インド太平洋地域の平和と安定を維持していくだろう。
 
ノルウェーや欧州との協力について
ノルウェーは小さな国だ。しかし、国土面積が小さいからといって、自由を持てないということはあってはならない。経済方面で言えば、台湾はノルウェーや欧州諸国との関係を強化し、科学技術やAI分野で連携を強化していきたいと考えている。また、欧州諸国がより開かれた態度で、台湾との貿易協定の締結を検討するよう望んでいる。民主主義について言えば、すべての民主国家が偽情報、外国勢力の介入、社会操作といった挑戦に直面している。民主国家はより創意工夫を凝らしてこれらの脅威に対応し、メディア・リテラシー教育の強化に努め、こうした外部からの挑戦に対する人々のレジリエンスを高める必要がある。台湾と欧州諸国は市民社会のレベルで、さらに交流と協力を図ることができるだろう。
 

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