頼総統は、ハイチからの政府高官の訪台は、2018年の故ジョブネル・モイーズ元大統領以来であることに言及し、これはハイチ政府が台湾との関係を重視していることの表れだとして、「中華民国(台湾)を代表して心より歓迎する」と述べた。
頼総統はまた、中華民国(台湾)とハイチが来年で国交樹立70周年を迎えることを指摘。両国はこれまでに、社会の安全、教育分野での協力、インフラ建設など重要な分野において十分に交流の成果を上げてきたとした上で、ハイチは近年、食料供給や医療分野で課題に直面しており、台湾としては今後もさまざまな支援プロジェクトを通して、ハイチの医療・公衆衛生の向上、食料安全保障の強化、民生インフラの発展などをともに推進していきたいとの考えを示した。
頼総統はさらに、ハイチ政府やジャンーバプティスト外相が長期にわたり、国際会合において台湾のための発言を繰り返していることに感謝した。頼総統は、今年5月にジャンーバプティスト外相が世界保健機関(WHO)事務局に書簡を送ったことや、ハイチのBertrand Sinal保健相がWHO総会(WHA)で台湾の貢献を評価し、台湾の国際参与を支持する発言を行ったことなどを挙げ、「こうした行動に、台湾は非常に感謝している」と述べた。そして、台湾とハイチが今後も支え合い、協力を深めていけるよう期待を寄せた。
これに対してジャンーバプティスト外相は、過去数十年、台湾とハイチはその地理的な距離、発展段階や文化の違いにもかかわらず、揺るぎない友情を築き、両国民の助け合いと協力の成果を世界に示してきたと強調。両国はとくに農業、公衆衛生、教育、コミュニティの発展などの分野で緊密に連携し、具体的な成果を上げており、「ハイチの人々にとって台湾の存在は極めて重要である」と述べた。ジャンーバプティスト外相はまた、「台湾は平和とイノベーションの重要な担い手として、国際社会との協力にも積極的に関与している。現在、世界は多くの困難に直面しており、とりわけハイチは歴史上最も厳しい時期を迎えているが、こういう時期だからこそ両国は一層団結し、助け合いながら、ともに前進する道を模索し、二国間関係の深化を図るべきである」と訴えた。