ペニャ大統領は林部長一行の訪問を歓迎し、頼総統からのメッセージに謝意を示すとともに、台湾とパラグアイの友好関係が盤石であることを改めて確認した。ペニャ大統領は、両国は兄弟のような間柄であり、長年にわたりさまざまな分野で協力し、豊かな成果を挙げてきたことを評価。さらに、今後も外部からの圧力や脅威に屈せず、台湾との協力関係の継続に力を入れていくことを約束した。
林部長は、ペニャ大統領が2023年8月の就任演説で最初に中華民国(台湾)に言及したことは、台湾とパラグアイの友好関係にとって格別な意義があったと感謝した。また、今回のパラグアイ訪問については、両国の国交樹立68周年を祝うだけでなく、半導体、ICT、科学技術、建設、スマート農業、高機能繊維、グリーンエネルギー、家具、食品加工など協力のポテンシャルが高い分野の台湾企業の代表を同行させており、すでに一部の企業は「台湾・パラグアイ・スマートテクノロジーパーク(Taiwan-Paraguay Smart Technology Park)」への投資や入居を決定し、ビジネスチャンスとウィン・ウィンの創出を目指していると述べた。
さらに林部長は、台湾がパラグアイで積極的に展開している「栄邦計画」(国交樹立国との協力を強化し、共に繁栄を目指す国際協力の枠組み)にも言及。国立台湾科技大学とパラグアイ政府が設立した公立大学「台湾・パラグアイ科技大学(Universidad Politécnica Taiwán Paraguay)」や、台湾の「科学園区」(サイエンスパーク)の成功経験を導入した工業団地「台湾・パラグアイ・スマートテクノロジーパーク(Taiwan-Paraguay Smart Technology Park)」、台湾から輸入したEVバスの実証計画、HIS(病院情報システム)の構築計画などの旗艦プロジェクトに加え、「ソブリンAI」、「5Gクリーンネットワーク」、「HIS 2.0」などの計画も構想中だと述べた。林部長はまた、これらの計画を実現することで、パラグアイの科学技術分野の発展やデジタル・トランスフォーメーション(DX)を支援し、台湾とパラグアイの協力の成果を示していきたいと意気込みを見せた。
ペニャ大統領はこの日、林部長とともに「対パラグアイ投資誘致説明会」に出席した。ペニャ大統領は、台湾とパラグアイは自由、民主主義、民族自決といった共通の価値観に基づいて68年間にわたり友好関係を築き上げてきたと強調。経済的利益や圧力によってその立場が変わることはないと断言した上で、台湾の国際的地位の向上のために支援を行うことは、自国の歴史と尊厳を守る行為でもあると述べた。また、パラグアイの経済は安定して成長しており投資環境も優れているとして、台湾企業に対して、ぜひパラグアイが持つ発展のポテンシャルを理解し、積極的に機会を捉えて欲しいと呼びかけた。
台湾とパラグアイは盤石な友好関係を構築している。外交部は「これからも教育、科学技術、エネルギー、農業、公衆衛生、インフラ建設などの分野において協力を深め、共に進歩と繁栄を享受していきたい」とコメントしている。