2025/07/30

Taiwan Today

外交

イスラエル国会議員の過半数が台湾の国際参与支持を支持、EU首脳は中国指導者に対して台湾海峡の平和と安定の重要性を訴え

2025/07/28
国際社会による台湾支持の声が高まりを見せている。イスラエル国会(クネセト)の親台湾派議員グループの代表を務めるBoaz Toporovsky議員(左)は今月23日、台湾の国際参与を支持する共同声明を発表し、その文書を台北駐テルアビブ経済文化弁事処(イスラエルにおける中華民国大使館に相当)の李雅萍代表(大使に相当。中央)に手交した。右は「宗教シオニズム」のオハッド・タル議員(Ohad Tal)。(外交部)
国際社会による台湾支持の声が高まりを見せている。イスラエルでは国会議員の過半数が台湾の国際参与を支持する声明に署名したほか、EU(欧州連合)首脳は中国・北京で行われたEU・中国首脳会談で台湾海峡の平和と安定の重要性を訴えた。中華民国(台湾)外交部はこうした国際社会の動きについて「歓迎し、心から感謝する」としている。
 
イスラエル国会(クネセト)の親台湾派議員グループの代表を務めるBoaz Toporovsky議員は今月23日、台湾の国際参与を支持する共同声明を発表し、その文書を台北駐テルアビブ経済文化弁事処(イスラエルにおける中華民国大使館に相当)の李雅萍代表(大使に相当)に手交した。この共同声明には、複数いるイスラエル国会副議長を含む超党派議員計72人が署名した。これはイスラエル国会の全議員(定数120)の過半数に相当する。連立政権からも「宗教シオニズム」のオハッド・タル議員(Ohad Tal)が率先して署名に応じるなど、イスラエル国会の超党派議員から初めて台湾支持の声が発せられた。中華民国(台湾)外交部は、イスラエル国会が公衆衛生、医療、環境および航空安全等の分野に対する台湾の貢献を評価したことに対して「心から感謝する」とコメントしている。
 
この声明文は、世界保健機関(WHO)、国際民間航空機関(ICAO)、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)などの国際組織やシステムから台湾が排除されている不当な状況について強い懸念を示し、「正当性を欠き、極めて無責任である」と非難している。とりわけ新型コロナウイルスのパンデミック発生時に台湾が優れた管理能力を発揮し、他国への支援にも積極的に取り組み、国際社会におけるリーダーシップを示したことにも言及。台湾が国際組織に有意義な参与を果たすことについて、国際社会は真摯に考慮すべきであると訴えている。
 
今回の署名には与野党問わず合計11の政党が参加した。これは台湾とイスラエルの友好関係と、台湾の国際貢献に対する国際社会の一致した支持と評価を示すものだ。中華民国(台湾)外交部はこれについて、「台湾とイスラエルは自由と民主主義という価値観を共有している。双方の関係は着実に発展している。今後も双方の健康と福祉の増進、そして持続可能な繁栄のために、イスラエルとの協力を深めていきたい」としている。
 
また、欧州理事会のアントニオ・コスタ議長、欧州委員会のウァズラ・フォン・デア・ライエン委員長及びカヤ・カッラス副委員長などの欧州連合(EU)首脳は今月24日、中国・北京の人民大会堂で習近平国家主席、李強首相と相次いで会談した。会談後、欧州側はニュースリリースを通して、EUは独自の「一つの中国」の原則を守りつつ、台湾海峡の緊張の高まりに懸念を示しているとした上で、東シナ海および南シナ海の不安定は地域ないしは世界の繁栄と安全を脅かしていると指摘。武力や威圧による一方的な現状変更に反対するとともに、国際法に合致した平和的手段による紛争解決を支持するというEUの立場を説明した。
 
EUは近年、台湾海峡の平和と安定に関心を寄せたり、台湾への支持を繰り返し表明したりしている。例えばEU対外行動庁(EEAS)は昨年5月以降、中国による台湾周辺での大規模な軍事演習について3度にわたり懸念を示し、「台湾海峡の平和と安定はEUの直接的利益に関わる」とする声明を出した。また、今年3月に発表した「欧州防衛白書」では、中国の台湾に対する威圧がエスカレートしていることへの懸念を示し、台湾海峡の平和と安定が欧州にとって極めて重要であることを強調するなどしている。

中華民国(台湾)外交部は、EUが中国との首脳会談において、台湾海峡の平和と安定を重視し、武力や威圧による一方的な現状変更に反対するという立場を直接表明したことについて「歓迎し、評価する」とした上で、「台湾は今後もEUを含む近い理念を持つパートナーと連携し、インド太平洋地域の平和と繁栄を促進し、ルールに基づく国際秩序を守っていきたい」とコメントしている。

 

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