写真左はウクライナ国会のMykola Kniazhytskyi議員、右は外交部の林佳龍部長(外相)。(外交部)
林部長は挨拶の中で、2022年のロシアによるウクライナ侵攻以降、台湾はポーランド、チェコ、エストニア、リトアニアなどの諸国および欧州復興開発銀行(EBRD)と連携し、ウクライナで学校、教会、医療機関の再建を支援するとともに、ウクライナの地方自治体と協力して5G通信、スマート医療、IT人材育成など人道支援プロジェクトを推進してきたことを強調した。
林部長はまた、台湾とウクライナがともに民主主義と自由を重んじる国であることに触れ、賴清徳総統が掲げる「価値外交」政策のもと、今後も近い理念を持つ国々と連携して、国際社会の安定と繁栄に貢献していくという台湾の決意を示した。さらに、ロシアの侵略に対抗するウクライナの人々の強靱な精神に敬意を示すとともに、今回の訪問を契機として台湾とウクライナの国会交流が新たな段階に入ること、また、各分野で台湾とウクライナの実質的な協力を促進し、今後の両国の公式対話や民間交流の基盤を築けるよう期待し、また台湾とウクライナの末永い友好を願った。
今回3度目の訪台となるKniazhytskyi議員は挨拶の中で、ウクライナの人々は台湾からの多方面にわたる人道支援に感謝しているとした上で、ウクライナは中国の軍事支援を受けるロシアによる侵攻で深刻な被害を受けており、台湾が将来同様の状況に直面する可能性を懸念していると述べた。そして、台湾とウクライナが連携を強化し、権威主義の拡張に立ち向かうことの重要性を強調した。Kniazhytskyi議員はさらに、今回の訪問が将来の両国の公式な交流につながることを望むとともに、台湾企業の対ウクライナ投資を歓迎する意向を示した。
晩餐会に先立ち、外交部の呉志中政務次長(=副大臣)は4日午後、ウクライナの訪問団と面会し、台湾とウクライナの二国間関係や、ロシアによるウクライナ侵攻の現状、それに両岸関係などについて意見交換を行った。呉次長は、ロシアのウクライナ侵攻開始以降、台湾は一貫してウクライナを支持し、欧州諸国と連携して人道支援を行ってきたことを強調。また、台湾と欧州諸国は政治、安全保障、経済、文化等の多くの分野で緊密な交流を続けており、台湾とウクライナについても段階を追って、より多角的な協力を展開していきたいと述べた。
ウクライナの超党派国会議員訪問団は4日から8日までの日程で台湾を訪問している。この訪問団には、ウクライナの主要政党に所属する国会議員計9名が参加している。一行は台湾滞在期間中、台湾の政府高官と会見するほか、立法院(国会)を表敬訪問する。5日には「ケタガランフォーラム:2025インド太平洋安全保障対話」にも出席した。ほかにも台湾の航空宇宙産業、スマート医療、精密機械などの先端産業を視察し、台湾の科学技術およびイノベーションの実力への理解を深めるとともに、台湾とウクライナの経済・貿易協力の深化と、台湾企業によるウクライナ復興事業への参画および商機獲得の機会創出を目指すことになっている。