昨年、中国大陸から1,000人近くの学生が、台湾の大学に進学した。両岸では言語が共通ということもあり、彼らは他の海外からの留学生よりも特に強く両岸の差異を感じ取っている。中でも最大の衝撃が台湾の民主主義なのである。初めて中国大陸からの留学生として受け入れられ台湾で生活して4年になるこういった学生たちは、言語と文化のルーツを共にするこの社会で、民主主義がいかに運用されているかを、まさに身をもって感じ取っている。これら学生はすべて、多くの人々の中から選りすぐられたエリートであり、台湾での実際の生活を通じ、民主主義制度をより間近で体感している。
台湾の民主主義が中国大陸に及ぼす影響は、ここ数日で目に見えるというものではない。長い時間とその間のたゆまぬ積み重ねによって初めて変化として見られるものである。両岸の交流が進む局面において、「両岸三地(台湾・香港・中国大陸)で初めての華人による民主主義政治」こそが、台湾の最大の強みである。この強みをまず出発点として、中国大陸の将来の中堅層の注目を引き付け、彼らを通じて、今後の中国大陸の民主化を促すべきではないであろうか。