2025/05/05

Taiwan Today

外交

台湾の民主主義、中国大陸にじわり影響

2012/09/24
両岸青年フォーラムで馬英九総統と交流する両岸の学生たち。(総統府サイトより)
台湾海峡両岸間のコミュニケーションは、いかなるルート、いかなる方法を通じたものであれ、本質的にはなるべく多くの接触を通じ、相互の理解を深め、偏見を取り除き、両岸間に新しい共存共栄の平和モデルを打ち立てることが最終目的である。いま、台湾の高度に発展した民主主義体制は、中国大陸の人々の考え方に大きな影響を与えつつある。例えば、台湾では、ほぼ毎年選挙が行われ、開票の状況が生中継でテレビ放映される。これを多くの中国大陸の人が見ており、そのうちのある人はインターネット上で「台湾の人々が居住地の近くの学校に行って、地方自治体を運営する政治家を選べるのに、われわれにできないのは何故だろうか。われわれは二等公民だというのだろうか」という書き込みを残している。

昨年、中国大陸から1,000人近くの学生が、台湾の大学に進学した。両岸では言語が共通ということもあり、彼らは他の海外からの留学生よりも特に強く両岸の差異を感じ取っている。中でも最大の衝撃が台湾の民主主義なのである。初めて中国大陸からの留学生として受け入れられ台湾で生活して4年になるこういった学生たちは、言語と文化のルーツを共にするこの社会で、民主主義がいかに運用されているかを、まさに身をもって感じ取っている。これら学生はすべて、多くの人々の中から選りすぐられたエリートであり、台湾での実際の生活を通じ、民主主義制度をより間近で体感している。

台湾の民主主義が中国大陸に及ぼす影響は、ここ数日で目に見えるというものではない。長い時間とその間のたゆまぬ積み重ねによって初めて変化として見られるものである。両岸の交流が進む局面において、「両岸三地(台湾・香港・中国大陸)で初めての華人による民主主義政治」こそが、台湾の最大の強みである。この強みをまず出発点として、中国大陸の将来の中堅層の注目を引き付け、彼らを通じて、今後の中国大陸の民主化を促すべきではないであろうか。

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