台湾の農産物のシンガポール向け輸出拡大を支援し、ASEAN諸国への輸出ルートを確立するため、行政院農業委員会がシンガポールで、「台湾の農産物フェア」を開催。写真は開幕で銅鑼を鳴らす様子。(中央社)
台湾の農産物のシンガポール向け輸出拡大を支援すると共に、将来のASEAN(東南アジア諸国連合)諸国への輸出ルートを確立するため、行政院農業委員会(日本の農水省に相当)はシンガポール政府と協力し、7月28日から8月3日まで、シンガポール国営のスーパーマーケット、「NTUCフェアプライス」で「台湾農産品節(台湾の農産物フェア)」を開催している。台湾中部の台中市、彰化県、南投県、北西部の苗栗県、南部の高雄市などで生産された高品質な野菜と果物がシンガポール市場の拡大に挑んでいる。
シンガポールはASEANの創始会員国の一つ。輸入農産物や加工食品、飲料の消費能力は東南アジア諸国で最も高い。「NTUCフェアプライス」はシンガポール国営であり、同国内で最も多くの店舗を持つ流通業者である他、今ではベトナムにも出店している。今後もASEAN諸国での展開を継続する他、台湾の農産物を他のASEAN諸国に販売する意向も持っているという。
今回の活動では農業委員会による指導の下、台湾北部の新北市農会(農協に相当)が台湾各地の新鮮で旬の優れた野菜と果物をまとめて売り込んでいる。販売されるのは台中市の梨、ぶどう、ニガウリ。彰化県のぶどう、エノキダケ、黒きくらげ、サツマイモ、苗栗県の梨、南投県のバナナ、高雄市のグアバなどで、それぞれ小さなパッケージで輸出されており、スーパーマーケットでの販売に便利な形をとっている。
シンガポールは台湾の農産物の輸出にとって重要な市場で、近年、各県・市が度々同国でプロモーション活動を実施している。今回は農業委員会が農産物を生産する各県・市を統合、台中市、彰化県、苗栗県などが代表団を組織して、中華民国(台湾)の国全体のイメージを以ってシンガポールの消費者に台湾の高品質な農産物を積極的にPRしている。こうした活動により、「台湾の農産物は高品質」というイメージを強め、シンガポールにおける台湾産農産物の市場拡大につながることが期待される。