2025/08/02

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台北栄民総医院の新ビル落成、台湾の質の高い医療を世界へ

2017/09/22
台湾北部・台北市の台北栄民総医院(=病院)は20日、第三門診ビルの落成式典を開催した。式典に出席した陳建仁副総統は、「台湾の質の高い医療を世界中の人々に知ってもらい、より多くの人々が台湾から医療技術を学ぶことを期待する。医療に国境はない。世界中の人々に、台湾の人々の思いやりとテクノロジーの進歩に触れる機会を与えたい」と述べた。(台北栄民総医院提供、中央社)
陳建仁副総統は20日午前、台湾北部・台北市にある台北栄民総医院(=病院)の第三門診ビルの落成式典に出席した。陳副総統は、「台湾の質の高い医療を世界中の人々に知ってもらい、より多くの人々が台湾から医療技術を学ぶことを期待する。医療に国境はない。世界中の人々に、台湾の人々の思いやりとテクノロジーの進歩に触れる機会を与えたい」と述べた。
 
第三門診ビルは、3年余りの歳月と総工費19億台湾元(約70億日本円)をかけて建設したもの。地か3階、地上9階建て、総床面積は35,409.30平方メートル。スマート化、再生可能エネルギーなどを取り入れたビルとなっている。20日に行われた落成式典には、陳副総統のほか、台北市の柯文哲市長、ニュージーランドの第7代マオリ王ツヘイティア・パキ氏と国王夫人などが出席した。
 
陳副総統は、台北栄民総医院は厳格な基準をクリアして「国家関鍵基礎設施(国家重要インフラ施設)」に認定された唯一の病院であり、且つ昨年は行政院(内閣)から重要インフラ施設防護演習の最高栄誉「特優奨」を授与されたと紹介。これは台北栄民総医院が、医療機関としての役割だけでなく、国家の安全保障や国民を動員した防衛活動においても、その機能を大きく向上させていることを意味すると評価した。
 
陳副総統はさらに、高齢者は同時に複数の慢性病を抱えていることが多く、こうした患者に対して総合的な医療サービスを提供することが重要になるが、新たに落成した第三門診ビルは高齢者関連の診療科を同じフロアに配置するなど、患者にとって使いやすい構造になっていると説明した。
 
台北栄民総医院は、総合的な診療サービスを提供するだけでなく、長期介護施設との連携も積極的に行っている。台北栄民総医院は周囲地域の診療所や長期介護施設269ヶ所と提携し、双方向的な紹介・転院のネットワークを構築している。
 
陳副総統はまた、「東南アジアや南アジアに住む人々や華僑などから、台湾で一流の医療サービスを受けたいという要望を聞くが、これは台湾の医療ケアの対象が台湾の住民だけにとどまらないこと、台湾の人々の思いやりが世界各地にまで届いていることを意味している」と指摘。中華民国政府は現在、新南向政策を推進し、医療もその重要な一環に掲げており、台北栄民総医院がインドネシア、フィリピン、ベトナム、ミャンマーなどの国民に対して医療サービスを行うことを高く評価すると述べた。また、第三門診ビルの完成と遠隔診療センターの設立、そしてマオリ王ツヘイティア・パキ氏と国王夫人が視察に訪れたことからも、「国際社会が台北栄民総医院に高い期待を寄せていることが分かるだろう」と述べた。同ビルには、海外から訪れる患者のために、各階には8カ国の言語に対応できるガイダンス設備が設置されている。
 
同ビルにはさらに、国立陽明大学、国立交通大学、それに海外でも活躍するハイテク大手などが協力し、台湾初の医療イノベーションセンターを設置。ハイテクと医療を統合した、患者を中心とした「未来型の病院」を目指す。また、高精度医療(Precision Medicine)のすう勢に応じ、患者に対して個別化医療を提供し、がん患者や稀少疾患の患者に対応する。
 
また、高齢化の進行や、不妊治療のために病院を訪れる患者が増えていることを考慮して、台湾で初めて「男女生殖医学聯合門診」が設置された。これは産婦人科、泌尿器科の医師らが合同で対応する診療科で、夫婦が別々の診療科で受診しなければならないという不便を解消することができる。また、心臓、腎臓、泌尿器、消化器など関連性の高い診療科は、なるべく近い空間で受診できるような配慮がなされている。検査の流れに連続性がある35項目の検査、治療室、そして13の健診ルームなどが集中しており、より完全で総合的な医療サービスを受けることができるようになっている。
 
さらに、ビルにはパブリックアートを取り入れた設計になっており、温かみと生命力を持った台湾で最も素晴らしい医療空間となっている。

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