2025/07/16

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両岸交流30年、「間接郵便」から「直接郵便」への変化が大きな成果

2017/10/12
今年で台湾海峡両岸が交流を始めて30年。中華郵政は9月20日に「両岸交流30周年記念切手」を発行したのに続いて、「両岸交流30周年郵便切手特別展」を開催している。写真は中国大陸に送るため、中華民国赤十字の台北郵局(郵便局)における私書箱に出された手紙の外側の封筒。これが香港に着くと、香港で内側の封筒を取り出して中国大陸に転送した。(中華郵政提供、中央社)
今年で台湾海峡両岸が交流を始めて30年。中華郵政株式会社は9月20日に「両岸交流30周年記念切手」を発行したのに続いて、「両岸交流30周年郵便切手特別展」を開催している。過去30年で両岸間の郵政業務が「間接郵便」から「直接郵便」へと変化、さらに送金も可能になるなど、交流は大きな成果をあげてきた。
 
「両岸交流30周年郵便切手特別展」は10月11日より20日まで、台湾北部・台北市にある郵政博物館で開かれている。11日午前には開幕セレモニーが行われた。過去30年来、両岸間の郵政交流は豊かな成果をあげている。1987年の中国大陸への里帰り(親族訪問)解禁、2001年の「小三通」(離島の金門・馬祖と中国大陸側との間の船舶を使った直接通航)の実現、2008年の「海峡両岸郵政協議(協定)」締結など政府の様々な政策に合わせて、両岸間の郵政業務も「間接郵便」、「直接郵便」、そして直接送金などにサービスを広げてきた。また、2011年から2014年には、両岸速達郵便(航空便・船便)、「両岸郵政e小包」(航空便や船便での2kg以内の小型郵便)、スピード郵便(EMS)などのサービスもスタートしている。2014年、中華郵政はさらに中国大陸側の「中国郵政」と共同で、「鴻雁伝書(手紙を運ぶサカツラガン=『鴻雁』二文字は中国語では手紙の例えとしても使われる)」をテーマにそれぞれが切手を発行した。
 
今回の特別展では、過去30年に両岸間を往来した郵便物、中華郵政が発行した「小三通」開通記念切手や「鴻雁伝書」など歴史的意義のある切手やデザイン原稿の他、清の時代から1950年代初めにかけて両岸間でやり取りされた書簡なども募集して展示、両岸を跨いだ郵便の長い歴史を余すところなく伝えている。
 
1987年10月15日、当時の蒋経国総統は台湾の人たちが親族に会うため中国大陸を訪れることを解禁し、38年間にわたって途絶えていた両岸の家族、人々の交流を再開させた。その後30年、両岸の政治環境の変化に伴い、両岸間の郵政業務もそれぞれの段階で異なる姿を見せてきた。それは「台湾から中国大陸に送られる郵便物」と「中国大陸から台湾に送られる郵便物」とに分けられる。
 
「台湾から中国大陸に送られる郵便物」は1988年4月18日から1989年6月9日までは「二重の封筒」方式が用いられた。台湾は当時、中国大陸に対して「三不政策」(接触しない、交渉しない、妥協しない)をとっていたことから、郵便は「紅十字会(赤十字)」が代行。「二重の封筒」方式とは、外側の封筒のあて名は中華民国紅十字会総会の「台北郵局第50000号信箱(私書箱)」で、内側の封筒には香港から中国大陸の親族や友人に転送される手紙が入れられ、封筒には「香港・内詳」と印刷されたり、書かれたりしていた。
 
1989年6月10日、両岸間の「間接郵便」は「二重の封筒」方式を終え、台湾から中国大陸に送られる郵便物には直接台湾の切手が貼れるようになったが、依然として香港など第三地点を経て転送される形で、郵便物上にある「中華民国」という文字は中国大陸側によって塗りつぶされた。2008年11月4日の「郵政協議(協定)」締結後、両岸は12月15日に「直接郵便」をスタートさせて今に至っている。
 
一方、中国大陸から台湾に送られる郵便物は、1979年5月に中国大陸側が一方的に台湾への普通郵便を解禁。6月には書留郵便も始めたが、台湾はこれらを受け付けず、手紙は突き返した。1988年3月から9月末まで、台湾は中国大陸から送られてきた手紙の切手にある「中国」の国号、国旗、国歌、国徽、政治家などに関する図案や文字を塗りつぶし、「三民主義が中国を統一する」と書かれたスタンプを上から押す形をとった。1988年10月から1989年10月14日までは、同スタンプをやめ、切手上の「中国」の国号などの文字や図案を塗りつぶすだけとした。
 
「間接郵便」の時代、中国大陸から台湾に送られる郵便物も香港や日本など、第三地点を経由した。また、台湾から中国大陸に送られる郵便物に貼られた切手にある「中華民国」の文字は塗りつぶされた。1989年10月15日より、中国大陸側は台湾から送られた郵便物の「中華民国」という文字を塗りつぶすのを止めたが、1989年6月から1993年初めまで、中国大陸から台湾に送られる郵便物には、「台湾における郵送料は支払い済み」とする八角形のスタンプを押していたこともある。
 

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