2025/06/11

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乳幼児のA型肝炎ワクチン、2018年から公費対象に

2017/12/01
衛生福利部(日本の厚生労働省に類似)疾病管制署は2018年1月1日より、2017年1月1日以降に生まれた生後満12カ月の乳幼児をA型肝炎のワクチン接種の公費対象とする。写真は未就学児のインフルエンザ予防接種を呼びかける疾病管制署の職員たち。写真左は疾病管制署の羅一鈞副署長。(中央社)
衛生福利部(日本の厚生労働省に類似)疾病管制署は2018年1月1日より、2017年1月1日以降に生まれた生後満12カ月の乳幼児をA型肝炎のワクチン接種の公費対象とする。
 
A型肝炎はA型肝炎ウイルスによって引き起こされる急性肝炎である。乳幼児がA型肝炎に感染しても症状は非常に軽い。しかし、A型肝炎ウイルスは糞口感染で伝播するため、成人がA型肝炎ウイルスに感染した乳幼児の排泄物や、ウイルスに汚染された食べ物に触れた場合、A型肝炎ウイルスに感染する可能性がある。成人が感染すると急性肝炎や劇症肝炎になりやすく、また地域社会で感染のまん延を引き起こす可能性も懸念される。
 
衛生福利部疾病管制署の羅一鈞副署長によると、成人がA型肝炎ウイルスに感染した場合、倦怠感、食欲不振、発熱、黄疸、尿の変色、上腹部の痛みなどの症状が出ることがある。大部分は自然治癒し、その後、抗体が生じる。しかし、一部は劇症肝炎に進展し、深刻な場合は死に至る可能性もある。劇症肝炎に進展した場合、救命方法は肝移植しかない。
 
A型肝炎ワクチンは、1回の接種で95%以上の人は抗体がつき、2回の接種で抗体が20年以上は維持できるとされている。これまでは経費が限られていたため、山地などのへき地のA型肝炎感染のリスクが高い地域しか公費接種の対象となっていなかったが、これらの地域ではワクチン接種による効果が出ている。
 
研究によると、台湾ではA型肝炎の抗体を持たない若者が多い。また台湾の住民はA型肝炎ウイルスがまん延している国々を訪れる機会が多い。このため、A型肝炎ウイルス流行の潜在的リスクを抱えていると言える。
 
これまで台湾では、A型肝炎ワクチンは公費対象とされておらず、乳幼児が接種する場合は、1回につき1,000台湾元(約3,750日本円)程度が必要だった。このほど衛生福利部伝染病防治諮詢会予防接種組から、A型肝炎ワクチンを公費対象とする提案があり、また民間の慈善団体から今後10年間、A型肝炎ワクチンを寄付するという申し出があったことから、官民連携によりA型肝炎ワクチンの公費化が実現することになった。
 
台湾で現在使用されているA型肝炎ワクチンはいずれも不活化ワクチン。接種が認められるのは生後満12カ月以上。接種回数は大人と同じ2回。1回目と2回目は、少なくとも6か月の間隔を空ける必要がある。
 
A型肝炎ワクチンの公費接種は2018年1月1日から始める。2017年1月1日以降に生まれた、生後満12カ月以上の乳幼児が対象となる。その他の生ワクチンと不活化ワクチンの同時接種(接種場所を変える)、あるいは任意の間隔を空けて接種することも可能。
 

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