台湾では2016年12月21日に改正「国籍法」が施行され、「高級専業人才(=高度な専門性を持つ外国人)」や、台湾に特殊な貢献のあった外国人は、母国の国籍を喪失することなく、中華民国国籍を取得できるようになった。2018年4月現在、台湾への貢献が認められて中華民国国籍を取得した外国人は44名、「高級専業人才」として中華民国国籍を取得した外国人は32名に上る。
台湾社会の片隅で長い間、自分の青春や人生を台湾に捧げてきた外国人たちがいる。彼らは台湾社会に傑出した貢献を残してきただけでなく、自分を台湾人とみなし、台湾社会と共に生きてきた。こうした外国人に感謝するため、台湾では2016年12月21日、改正「国籍法」が施行された。これにより、台湾に特殊な貢献をした外国人や、「高級専業人才」と認められた外国人は、母国の国籍を喪失することなく、中華民国国籍を申請できるようになった。2018年4月末の時点で、甘恵忠(Oconnell Brendan Michael)神父、柯彼徳(Peter Kenrick)医師、秘克琳(Michelini Giancarlo)神父、修道女(シスター)の羅麦瑞(Maryta Laumann)女史など合計44名が、長年の貢献、慈善活動や社会奉仕などの取り組みを通し、台湾の国際的知名度を高めたと評価され、新たな制度に基づいて中華民国国籍を取得した。
また、中央省庁が主管する機関の推薦により、審査に通過して中華民国国籍を取得した「高級専業人才」の外国人は32名に上る。この中には、長く外国人配偶者の人権問題に取り組んできた米国出身の何瑞元(Richard W. Hartzell)さんや、テレビの旅番組で活躍するトルコ出身のタレントの呉鳳(Uğur Rıfat Karlova)さんのほか、サッカーのコーチ、大学教授、情報セキュリティの専門家やベテランの医師などが含まれている。これらはいずれも、優秀な外国人人材を取り込もうとうする政府の政策の成果である。
このほか、内政部によると、台湾に住む「新住民(台湾住民との婚姻で台湾に移住してきた外国人)」は52万人を超えている。「新住民」と台湾住民の間に生まれた子女は39万人を超えている。こうした「新移民」及びその子女に対して、中華民国政府は「多元的文化を尊重し、違いを楽しむ」といった観念と態度で対応するよう指導している。これは、「新住民」の台湾社会への適応能力を高め、台湾住民の多元的文化への認知度を強化し、フレンドリーで親和性の高い環境を作るのが狙い。政府は「新住民発展基金」に毎年10億台湾元(約37億日本円)規模の予算を投入し、「新住民」及びその子女のケアに努めている。