2025/05/29

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政治

中国・湖北省滞在台湾人の帰国解禁へ、14日間の集中隔離が条件

2020/05/07
中央感染症指揮センターは、5月8日より中国・湖北省に滞在する台湾人の自主的な帰国を解禁する。但し、帰国後は集中検疫施設での14日間の隔離を義務付ける。写真は湖北省から特別機(搭乗者を湖北省からの帰国者に限定した定期便)で4月20日に帰国し、台湾北部・新竹県及び新竹市にある集中隔離施設で14日間を過ごした人々。5月5日に隔離が解かれ、それぞれ帰宅した。(中央社)
中央感染症指揮センター(新型肺炎対策本部に相当)は6日の定例記者会見で、台湾の新型コロナウイルス感染者が1人増え、累計439人となったと発表した。英国からの帰国者で、海外から持ち込まれた感染例となる。国内感染は6日までの時点で、24日連続ゼロとなっている。
 
中央感染症指揮センターはこの日の記者会見で、中国大陸では新型コロナウイルス感染のリスクが徐々に低下し、現地の交通や人的往来も正常に戻りつつあるものの、今後もリスク回避に努める必要があるとの見方を示した。
 
中央感染症指揮センターはその上で、中国・湖北省に滞在する台湾人から帰国を希望する声が高まっていることから、感染対策と安全について全体的に考慮した結果、明日(5月8日)より湖北省滞在台湾人の自主的な帰国を解禁することを決めた。但し、飛行機に搭乗する際は防護を強化し、帰国後は集中検疫施設での14日間の隔離を義務付ける。
 
湖北省滞在台湾人の帰国は解禁されるものの、内政部移民署(日本の出入国在留管理庁に相当)と国民健康保険証による「湖北省滞在履歴の管理」は引き続き行われる。この履歴管理はもともと、湖北省滞在履歴を持つ旅客の入国制限を行うためのものだった。湖北省滞在台湾人の帰国解禁により、入国規制の必要はなくなるが、政府は湖北省滞在台湾人の帰国後も、政府がその身分を把握し、集中隔離施設への入所手配をスムーズに行うことができるよう、今後もこれらの人々の湖北省滞在履歴を残すことを決めた。中央感染症指揮センターの陳時中指揮官は、帰国した湖北省滞在台湾人を集中隔離施設で隔離する理由について、「不確定要素を台湾の市中に持ち込むことを望まないため」と説明している。
 
湖北省滞在台湾人からは、履歴の取り消しを求める声が高まっている。これについて陳時中指揮官は、「これまで、湖北省からチャーター便あるいは特別機で残留台湾人を帰国させてきたが、感染者が出たのは最初のチャーター機からだけだった」とした上で、「履歴を取り消すかどうかの観察期間は、1か月以内だと考えている。しかし、中国における新型コロナウイルスの感染状況を注視して判断しなければならない」と回答するにとどまっている。
 
なお、台湾では新型コロナウイルスの封じ込めに一定の成果を挙げていることから、中央感染症指揮センターは国民の感染対策と日常生活のバランスを考慮した上で、感染対策措置の順次解除を検討している。
 
 

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