2025/05/20

Taiwan Today

政治

蔡総統が李登輝元総統の功績を称賛、「時代のパイオニアで台湾を前進させた」

2020/07/31
李登輝元総統死去を受け、蔡英文総統がフェイスブックで哀悼。「李元総統は時代のパイオニアであり、台湾を前進させた」とその功績を称えた。写真は蔡英文総統のフェイスブック。(蔡英文総統のフェイスブックより)
李登輝元総統が30日午後に死去した。これを受けて蔡英文総統は30日のうちに自身のフェイスブックに哀悼のメッセージを投稿した。以下、蔡総統の投稿内容。
 
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私たちが敬い重んじる李登輝元総統が今晩、台北栄民総医院(病院)で亡くなった。
 
さきほど私は李元総統のご家族と電話で話し、国家元首として、全国の人々を代表して最も深い哀悼の意を伝えた。同時に私は政府の関係部門に対し、遺族への支援では最高クラスの協力を行うよう求めた。
 
李登輝元総統は時代のパイオニアである。若い時に二度の海外留学を経験、新たな知識を学び、その専門能力で故郷に貢献した。民主化運動が次々と起こった時代、李元総統は国をリードした。権威主義による反発と民主の理想のはざまで台湾を「寧静革命」(静かな革命)に導き、台湾を「台湾人の台湾」にしたのである。
 
1990年代、私は李登輝元総統の下で働いた。民主化の理想に対する李元総統の堅持、ならびに国家の主権に対する揺るがぬ態度は深く印象に残っている。その後、幸いにも総統となった私は、国をリードする上での様々な課題、そして決断の際に直面する数々の困難を身をもって知ることとなった。そして私は、度重なる課題の中で台湾を民主化に向かわせたこの民主の先輩がどれだけ固い意志を備えていたのかを理解した。
 
私は時々、李登輝元総統に教えを請うた。そんな時、李元総統はいつも年長者としての態度で、自身が書物から得た様々な新しい知識を提供してくれ、政策を決める際には謙虚ながら勇敢な知恵の心を保つようにと励ましてくれた。
 
李登輝元総統は生死を論ずることもいとわなかった。死の存在を意識してこそ、生きていることの意義を考えられるからだ。李元総統は常に、必然である人生の終わりに朗らかに向き合っていた。「誠実自然」は李元総統が最も好んだ座右の銘である。李元総統は生涯これを固く信じ、努力し実践してきた。李元総統は時代のパイオニアであり、台湾を前進させた指導者だ。そして誰からも尊敬される年長者であり先輩だった。
 
李登輝元総統は98年(台湾での数え方)の人生の中で、数々の歴史の転機を経験した。今日、李元総統が亡くなったことは、台湾人が多くの試練に満ちた時代を乗り越え、これから世界へと向かう新たな1ページを開くことを意味している。
 
李登輝元総統はこの世を去ったが、台湾に民主と自由を残してくれた。この精神は新たな時代の台湾人が次の試練に勇敢に立ち向かえるよう導き、「台湾人に生まれた幸せ」を追求できるようにするだろう。
 
李登輝元総統、どうか安らかにお眠りください。ご遺族はどうかお力落としなさいませんように。
 
 

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