2025/05/22

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科技部の「萌芽計画」10周年、育成したスタートアップは73社超に

2020/09/10
科技部による「研究成果萌芽計画」が10周年を迎え、同プロジェクトによるスタートアップの育成成果が発表された。これまでに73社を超えるスタートアップの立ち上げを支援したという。右から4人目が呉政忠科技部長。左から4人目は陳建仁前副総統。(科技部サイトより)
科技部(日本の省レベル)が9日、「研究成果萌芽計画」(MOST Germination Program=研究成果の発芽プロジェクト)の10周年を記念する記者会見を開き、同プロジェクトによるスタートアップ33組の育成成果を発表した。紹介されたのは、ナノマテリアル、精密医療、農業、半導体から宇宙関連、そして新型コロナウイルス関連までと幅広い分野でのもので、今後台湾の様々な産業がグレードアップしていく上で必要なキー的技術だということ。
 
科技部の呉政忠部長(大臣)によると、かつて台湾の学術研究にとって最後の一歩は世界トップの学術雑誌に掲載されることだったが、米国では数多くの優れた研究室以外にベンチャーキャピタルの姿も多くみられる。このため呉科技部長は、これからは学校での研究成果を産業や社会への影響力に持ち込んでもらいたいと期待した。
 
10年前に始まった「研究成果萌芽計画」ではこれまでに73社を超えるスタートアップの設立を支援している。呉科技部長は「萌芽計画」のいきさつに言及。それによると、呉科技部長は2007年当時、のちの副総統である陳建仁氏が主任委員だった行政院国家科学委員会(科技部の前身)で副主任委員を務めていた。2人は当時、台湾の最高学術研究機関である中央研究院から王佑曾院士(フェロー)を招いて「台湾学術里程与科技前瞻」(台湾における学術の道のりと科学技術の展望)プロジェクトを立ち上げた。そして2011年、科技部は同プロジェクトを受け継ぐ形で「研究成果萌芽計画」をスタートさせたのだという。呉科技部長は、過去10年間様々な実験室に絶えず協力し、その研究成果を世界に送り出してきたと胸を張った。
 
科技部ではまた、2018年に「台湾科技新創基地(Taiwan Tech Arena、TTA)」を設立して世界レベルのアクセラレータ5社と海外の投資資金を呼び込んでおり、これらと協力して科学技術に関する台湾の新たなスタートアップが世界とアクセス出来るようにしている。科技部はさらに経済部(日本の経産省に相当)の「林口新創園(Startup Terrace)」のリソースと合わせ、台湾を世界に知られる起業のホットスポットに成長させることで、台湾から生まれるスタートアップの国際的な可視性を高めていく考えだという。
 
 

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