蔡英文総統が11日午前、「600トン級巡視船『安平艦』(1隻目)の引き渡し」、「同『成功艦』(2隻目)の命名及び進水」、そして「35トン級巡視艇の引き渡し」合同式典に出席し、「籌建海巡艦艇発展計画」(海洋委員会海巡署の艦艇建造と発展計画)は計画通りの品質かつ前倒しで順調に進んでいると評価した。海洋委員会海巡署は日本の海上保安庁に相当する。蔡総統は、今後100隻以上の艦艇を台湾で建造し、第一線で法に基づく取り締まりにあたる人たちに、より高性能で安全な船を提供すると強調した。蔡総統はこれを台湾の造船業の発展とレベルアップにつなげる考えを示すと共に、新たな艦艇を導入することで、海での取り締まりに向けた勇敢な精神と国土防衛の決意をより強く打ち出すと述べた。
蔡総統は、海洋委員会海巡署の署員たちによる任務執行の効率と気迫を国民は十分実感していると指摘、その例として先ごろ離島・馬祖周辺で制限の敷かれた区域に違法な砂利採取船が大量に現れ、境界内への出入りを頻繁に繰り返していた映像が多くの人を驚かせたことを挙げた。蔡総統は、幸い海巡署がただちに2,000トン級の巡視船「新北艦」を出動させ、高圧の放水銃で事態を速やかに解決したと説明、これこそ海巡署が「海上の国境」を巡視する決意の表れだと称えた。
蔡総統は、「離島地区に侵入しての深刻な砂利採取問題に対し、我々の態度は明確だ。海巡署は今後も大型の艦船を派遣して取り締まるべきは取り締り、絶対に見過ごさない」と強調した。また蔡総統は、一昨年にスタートした「籌建海巡艦艇発展計画」に全力で取り組み、さらに加速する必要性に言及、これにより第一線で取り締まりにあたる署員すべてが、より高性能で安全な艦船で国民の期待する任務を執行出来るようにすると述べた。蔡総統はそして、事前に聞いた報告によれば、計画は予定を上回る速さで進んでいるとして関係者の努力に感謝した。
蔡総統によると、実施期間10年の「籌建海巡艦艇発展計画」では100隻以上の艦艇を建造する予定。それには4,000トン級の救難船、1,000トン級及び100トン級の巡視船、さらに巡視艇も含まれる。蔡総統は、「最も重要なことはこれらすべてが『国艦国造』(艦艇の自主建造)であることで、台湾の造船業の発展とレベルアップにつながることだ」とその意義を説明した。
蔡総統は、海巡署の艦艇発展計画は計画通りの品質かつ前倒しで順調に進んでいると強調、引き渡された「安平艦」と35トン級巡視艇、及び命名され進水式を行った「成功艦」は従来の同じ規模による艦艇と比べ、スピードや機能を問わずより高性能になっており、台湾における造船業の技術力を大いに示すものだと評価した。特に「安平艦」では海軍の一部設備を導入、「平時から戦時への転用」の特性も有しており、必要時にはただちに国防のための重要な戦力へと転じることが出来るという。蔡総統はこれについて、海上のパトロールと取り締まりを強化すると同時に、国防力もいっそう高められることを示していると歓迎した。