蔡英文総統が18日午後、高雄市(台湾南部)にある左営軍港(海軍左営基地)の西三埠頭で海軍の戦備偵巡艦(偵察パトロール船)を視察し、海軍の兵士たちによる「青色の国土」(領海や経済水域などを指す)防衛に向けた努力と取り組みを評価した。蔡総統はまた、より高性能な艦艇を今後も建造し、海軍の兵士たちすべてが任務を執行するための後ろ盾となる考えを重ねて表明、兵士たちが健康な体を維持し、引き続き沿海の領土を守るよう求めた。
埠頭に到着した蔡総統はまず軍艦「承徳」に乗り込むと状況分析室や兵士たちの食堂、厨房環境や医務室などを視察、艦上の各施設の配置状況ならびに兵士たちの生活環境及び医療防疫措置を把握した。続いて蔡総統は兵士たちに向けて訓話を行った。以下、訓話内容の要約。
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我々の海軍にはこのところ良い知らせが続いている。新たな潜水艦の原型艦の建造が始まったこと、コルベット艦「沱江艦」の同型艦が命名され進水式が行われたこと、そして高速機雷敷設艇が引き渡されたことなどであり、これらはいずれも海軍の皆さんが努力した成果である。
私はそれら(進水式など)の場でいつも、海軍の皆さんを目にしてきたが、時間の関係できちんと感謝することが出来なかった。今日ここにやって来たのはまさに、国民を代表して海軍に感謝し、皆さんを励ますためだ。
私は我々の目の前に広がる、この「青色の国土」を守るために海軍の皆さんが多くの努力をし、力を尽くしていることを知っている。
特にここ1年、中共の航空機や艦艇が接近することがこれまでと比べてずっと増えている。海軍の兵士たちは中共の艦船全ての動向を把握するため、休日を返上して緊急出動しなければならない可能性が常にあるほか、海上で任務にあたる日数も増えており、時には一度出動すると十日間以上も港に入れないことがある。
また、私は先ほど状況分析室や皆さんの生活空間を視察した。あの狭苦しい環境に24時間耐えられるばかりか、揺れ動く船内で勤務し、休息をとれる皆さんに心から感服する。
私は、こうした厳しい勤務環境と不確定な任務形態の中で皆さんが責任を全う出来るのは、その一人ひとりが人一倍の忍耐力と気力を備えているからだと思う。本当に容易でないことであり、心から労いたい。
そして皆さんに伝えたい。皆さんが力を尽くしていることはすべての国民が見つめており、国民は間違いなく最大の力で皆さんを支えるであろうことを。
私は中華民国三軍(陸海空)の統帥として皆さんに約束する。最も忠誠を尽くす海軍の兵士たちが「青色の国土」を守ってくれているのだから、我々はより性能の高い艦艇を建造し続け、皆さんが任務を執行するための後ろ盾となることを。