蔡英文総統は29日午前、台湾南部・高雄市で行われた「巡視船初号艦『嘉義』引き渡し及び第2号艦『新竹』命名・進水式」の式典に出席した。蔡英文総統は、「この1カ月以内に海軍の1万トン級ドック型輸送揚陸艦『玉山』の進水式や4,000トン級巡視船『嘉義』の海洋委員会海巡署(海上保安庁に相当)への引き渡しを行った。これは、中華民国政府が決心と自信を持って『国艦国造(=艦艇の国産化)』を進めていること、台湾の国防における自主性を強化していることの現れだ」と強調した。今年から海巡署の巡視船の側面に「TAIWAN」と表記していることについて、蔡英文総統は「海巡署員を明確に特定できるようにし、より安全に任務を遂行し、中華民国台湾の代表として、訓練の成果をあげて領海を守る決意を示すものだ」と説明した。
蔡英文総統は式典のあいさつで、「『嘉義』の引き渡しに伴い、訓練や艦隊編成に注力できると信じている。さらに『新竹』などその他の関連プロジェクトの実施によって今後、海巡署員が各任務において、より精進し、より安全に遂行できると願っている」と述べた。
蔡英文総統はまた、3月に米国と締結した「沿岸警備ワーキンググループ設置のMOU(覚書)」について言及、海洋資源の保全や違法漁船の取締り、海上捜索・救助などの分野で協力し、今後、海巡署員が密輸、越境操業に対する取り締まり、海上救援活動を行うと同時に国際協力に一端を担うよう激励した。
蔡総統はあいさつの最後に「国産艦艇の建造に携わったすべての英雄たちに感謝している。引き続き予定通りスムーズに建造されるよう願っている」と期待を示した。