台湾で新型コロナウイルスへの警戒が高まる中、高雄市(台湾南部)の推進する「双語教学計画」(バイリンガル教育プロジェクト)が招聘する外国人教師は引き続き増加している。これら外国人教師は、海外での深刻な感染状況に比べて台湾での感染対策は成功しているとして、台湾南部で教鞭をとることを選んだのだという。
中央感染症指揮センター(新型コロナウイルス対策本部)は11日、新型コロナウイルスへの警戒レベルを第2級に引き上げた。そんな中で高雄市教育局が明らかにしたところによると、同市の都市部には国内外で教員資格を持つ外国人教師が50名いるほか、蔡英文総統が掲げる2030年のバイリンガル国家実現という目標達成に向けて各学校のサークルやクラブは米国籍の台湾系華僑などを外国籍の指導スタッフとして招請しており、こうした指導スタッフは増加を続けているという。
高雄市の陳其邁市長は11日午後、同市における新型コロナウイルス第1級感染症指揮センター第72回対応会議を開催して警戒レベルを引き上げたほか、各学校の感染予防物資の備蓄量を調べ、防疫資源を前倒しで確保すると宣言した。また、同市教育局は今週末に予定される「国中教育会考」(中学3年生の学力判断テスト)では2万2,722名が受験すると指摘、中央感染症指揮センターの規定に基づき、受験会場での感染対策を強化した上で予定通り実施すると説明した。
同市苓雅区にある成功国民小学(小学校)の呂佳真校長によると、同校では2018学年度(2018年8月~翌年の7月)から特殊分野やサークルでの教学に外国人教師を導入しており、生徒たちの反応も非常に良い。また配偶者が台湾南部に住んでいる一部の外国人教師は「依親」(家族の呼び寄せ)事由で来台し、数年働いて中華民国(台湾)の国民身分証を取得するなど、台湾での生活をとても気に入っているという。
高雄市教育局によると、市内にある「補習班」(予備校や塾のこと)の外国人教師の多くが小学校や中学校で、サークルやクラブでの学習に協力、サッカーや「才藝課程」(美術や音楽、ダンスなどのクラス)でも指導に当たっている。これら外国人教師と地元の教師や学生たちとの関係も良好であることから、各学校では徐々に外国人教師枠を広げているという。