蔡英文総統は20日午前、国防部(日本の防衛省に相当)の国軍感染症指揮センター(中華民国軍新型コロナウイルス対策本部)を視察し、感染対策に全力で協力すること、ならびに戦備を保ち、持ち場をしっかり守ることを指示した。蔡総統は、兵士たちの健康維持がすなわち戦力の保持につながるとし、軍が国と国民を念頭に全力で取り組むよう求めた。
蔡総統の談話の重点は以下のとおり。
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ここ数日、新型コロナウイルスの感染が広がる中、国軍の各部署は感染対策への協力と戦備の維持に努めている。みなの努力に感謝すると同時に、三つの点について注意を促したい。
第一に、新型コロナウイルスに対する全国の警戒レベルが3となる中、国軍は感染対策に全力で協力しなければならない。全国の警戒レベルは3に引き上げられた。感染防止の取り組みは全国一律であり、どこかが漏れることがあってはならない。化学兵は各県・市での消毒作業を支援、三軍総医院(陸海空軍総病院)は人員を派遣して簡易検査を支援、国防部軍備局は検疫所の整備に協力する。これらはみな我々が今担わなければならない仕事である。
三軍総医院の松山分院は中央政府による感染対策の専用病院になり、国軍総医院は集中検疫所を支援することになる。これからも全ての任務でみなの協力が必要だ。中央政府と地方自治体が心を一つにして、新型コロナの難局を一緒に乗り越えよう。
第二に、全国が感染対策に専念している中、中共の軍機と軍艦による侵入と威嚇が続いている。周辺の海域と空を厳重に監視し、適切に対処する必要がある。そして警戒をいっそう高め、戦備を維持し、持ち場をしっかりと守ることで国の安全保障に努めなければならない。
第三に、我々は感染防止策を確実に実行する必要がある。健康を保つことすなわち我々国軍の戦力を維持することだ。すでに兵士を対象としたワクチンの公費接種を可能にしており、ワクチンも次々に配分される。国防部長(国防大臣)と国防部、国防部軍医局に対し、兵士たちが順番にワクチンの接種を受けられる計画を速やかに立て、兵士たちがウイルスから守られるようにすることを求める。
このほか、基地での感染対策は最重要課題であり、間違いなく厳格に執行されなければならず、いかなる過失も許されない。任務に取り組む兵士たちに、感染や感染リスクまで余計に心配させるようなことがあってはならない。感染防止の取り組みを戦闘とみなし、共にこの戦いに打ち勝とうではないか。