立法院(国会)は13日に招集した第10回第4期会期内政委員会で、台湾先住民族行政を所管する中央省庁である原住民族委員会から業務報告を聴取した。同委員会のイチャン・パロー(Icyang‧Parod)主任委員(大臣に相当)はこの内政委員会で、初めて自身の母語であるアミ語を使用して業務報告を行った。また、この業務報告には国際会議レベルの同時通訳が手配された。
台湾では2017年に『原住民族語言発展法』が公布・施行され、台湾先住民族の言語はすべて「国家言語」と認定されている。同法第13条には、政府機関が司法・立法・行政の業務を行う際、先住民族はその母語を使って意見を陳述することができると定められている。その際、各政府機関は通訳を手配して、これを他の言語に通訳しなければならない。イチャン・パロー主任委員が今回、立法院ですべてアミ語を使用して業務報告を行ったのは、先住民族が母語を使って発言しやすい空間を少しずつ構築していくことで、『原住民族語言発展法』で保障されている内容を実現するのが狙い。
イチャン・パロー主任委員によると、原住民族委員会は各地方自治体の先住民族行政担当機関(局、処)及び先住民族が多く住む55の郷(鎮、市、区)の公所(=役場)の首長などに対し、『原住民族語言発展法』が保障する内容を実現するため、会議が行われている期間、あるいは会議を招集する際は、なるべく先住民族の言語を使用し、且つ同時通訳を手配するよう要請している。先住民族の言語を使用しやすい環境を積極的に整え、先住民族言語を日常生活の一部とすることで、先住民族言語の生命力を取り戻し、政府が投入した予算により意義と価値を持たせて欲しいと呼びかけている。