行政院(=内閣)に27日、「人権及転型正義処」が誕生した。行政院の李孟諺秘書長によると、これにより台湾の人権及び移行期正義(中国語では転型正義)に関する業務は、行政院レベルで取りまとめて推進されるほか、同処と各省庁との連携により新たなステージに突入する。李孟諺秘書長は、台湾の人権及び移行期正義に関する業務を担当する最高行政機関として、同処が各省庁やさまざまな国際人権規約を調整・統合する役割を発揮するよう期待を寄せた。
国際NGO団体フリーダムハウス(Freedom House)が今年発表した2022年自由度調査によると、台湾はアジア2位、引き続き「自由な国・地域」と認定された。台湾の人権問題への取組みは多くの成果を上げ、世界各国から評価を受けるようになっている。しかし一方で、外国人労働者(ブルーカラー)の権利、ジェンダーの平等、同性婚合法化にまつわる問題など、まだ課題も残されている。「人権及転型正義処」の開設後、省庁横断型の連携によりこれらの課題が解決へ向かうよう期待されている。
行政院の羅秉成報道官は、「人権及転型正義処」の開設は新たな挑戦の始まりを意味すると指摘。「人権問題への取組みと移行期正義の実践は政府の重要な責務であり、長期的な民主化への取組みでもある」、「蔡英文総統と行政院の蘇貞昌院長(=首相)はいずれもこの歴史的任務を背負う覚悟を持っている」とした上で、「これから同処が各省庁と手を取り合い、これまで築き上げた基礎の上で、さらに人権と移行期正義の実践に取り組んでいくよう期待している」と述べた。