行政院(内閣)の羅秉成報道官は15日、記者会見を開催し、辞意を表明した衛生福利部(日本の厚生労働省に類似)の陳時中部長(大臣)の後任として、同部の薛瑞元政務次長(副大臣)を昇格させることを発表した。政務次長の後任は、同部附属医療及社会福利機構管理会の王必勝執行長が昇格し、中央感染症指揮センター(新型コロナウイルス対策本部)の指揮官を兼任するよう指名された。なお、もう一人の同政務次長は、現職の李麗芬氏が留任する。行政院はそのほか、中央感染症指揮センター専門家諮問チームの招集人を務める張上淳教授を、新たに設置した行政院防疫対策の首席顧問として起用する。今後は、新任の部長、指揮官と共に行政院の各種の重要な防疫会議に出席する。関連の職務引き継ぎは18日に行われ、これらの人事は同日付けで発効した。
新任の薛瑞元氏は、1980年に私立台北医学院(現在の台北医学大学)医学部を卒業。さらに1993年に国立台湾大学法学部へ入学、2001年に同大学法科大学院を卒業した。台湾でも数少ない弁護士資格を持つ医師だ。
薛瑞元氏は、2002年から衛生署(現・衛生福利部)医事処の秘書を務めたことに始まり、同処の副処長、処長を経て、2008年には衛生福利部雙和医院の副院長、2015年には、台湾南部・屏東県衛生局の局長に就任した。2017年2月、陳時中氏が衛生福利部長に就任した後の同年8月、同部の常務次長(後に政務次長)に起用された。新型コロナウイルス感染症が発生し、中央感染症指揮センターが開設されてからは、同センター地域防疫班の班長となり、武漢からのチャーター便による台湾帰還では、現場で指揮を執った。