台湾ではきょう(21日)から、生後6か月から6歳未満の乳幼児を対象とした新型コロナウイルスワクチンの接種が始まった。提供するワクチンは米モデルナ製、濃度0.10 mg/mLで1回の接種量は0.25mL (25mcgのmRNAを含む)。
衛生福利部(日本の厚生労働省に類似)の伝染病防治諮詢会予防接種組(ACIP、ワクチン接種に関する諮問委員会)は今年6月27日に開いた専門家会議で、新型コロナウイルスの市中感染が拡大する現状を踏まえ、感染後の重症化や死亡リスクを低減するため、生後6か月から6歳未満の乳幼児を対象にモデルナ製ワクチンを接種すること、ワクチンの臨床試験の結果及び各国のワクチン接種政策を参考にした上で、ワクチンの接種は4〜8週間以上の間隔を開けて2回行うよう提言した。また、新型コロナウイルスワクチンは筋肉注射であるが、2歳未満の乳幼児は太もも(大腿部)に、2歳以上の幼児は利き腕ではないほうの三角筋の中央部に注射することが推奨され、医師の判断によって接種を行うよう提言された。
中央感染症指揮センター(新型コロナウイルス対策本部)によると、7月18日までの時点で、台湾で新型コロナウイルスに感染して重症化した乳幼児・児童が累計103人に達した(うち死亡は22人)。年齢中位数は4歳で、最も多いのは3歳以下の50人。次いで多いのは7〜12歳の28人。このため中央感染症指揮センターは、6か月未満6歳未満の乳幼児についてワクチンによる免疫保護力を向上させるため、各地方自治体と協力して関連の接種作業を進めることを決めた。
また、中央感染症指揮センターは22日以降、新型コロナウイルスワクチンの2回目となる追加接種(ブースター接種。つまり4回目接種)の対象に、(1)50歳以上の成人、(2)海外出張の必要がある18歳以上を加える。但し、1回目の追加接種(つまり3回目接種)から5か月(150日間)経過している必要がある。また、(2)については外交・公務・商務目的の出国で、招聘状あるいは主務官庁や職場の出国同意書のうちの一つ、それに航空券の提示が必要。出国2週間前までに接種することができる。