数位発展部(=デジタル発展省)が27日午前、新たに設置されて業務を開始した。初代の部長(大臣)を務めるオードリー・タン(唐鳳)氏は、同部の核心となる理念は「全国民のデジタル・レジリエンス」だとし、社会の融和、産業の変革、対応の強靭性など三つの面から関連の基礎を築いていく考えを示すと共に、デジタル人材が数位発展部に加わり、一緒に情報セキュリティを強化していくことに期待した。
数位発展部では午前にプレート(玄関の看板)の除幕と部長任命のセレモニーが行われ、蔡英文総統、蘇貞昌行政院長(首相)、行政院(内閣)の李孟諺秘書長と羅秉成報道官、政務委員(無任所大臣)を兼務する国家科学委員会の呉誠忠主任委員(大臣)、鄧振中政務委員らが出席し、台湾におけるデジタル化の一里塚となる同部のスタートを見守った。
蔡英文総統は、数位発展部の設置によって台湾は世界でも珍しいデジタル化に特化した省庁を持つ国になったとした上で、台湾をスマート国家、デジタル・アイランドへと向かわせることは政府にとって最も重要な目標の一つだと指摘、デジタル化に特化した省庁の設置を含む、これまでに提示した政府の組織改革を通じて政府のガバナンス能力を高めると共に国の発展のためのニーズを満たしていくと説明した。
蔡総統はさらに、数位発展部の発足は台湾のデジタルトランスフォーメーションにとっての一里塚であると共に国のデジタル・レジリエンスを築き上げるカギだと強調。数位発展部は今後、情報通信、情報セキュリティ、伝播、ネットワーク、電信の5大分野の業務を統合していく。蔡総統は、オードリー・タン部長のリードの下で数位発展部はデジタルトランスフォーメーションのエンジンとなり、国民全体の協力を強め、共栄を創り出し、台湾のデジタル化のためより行き届いた環境を整えてくれるだろうと期待した。
蘇行政院長はあいさつの中で、「数位発展部は政務委員だった郭耀煌氏(今年退任)が設置の基礎を築き、オードリー・タン氏がそれを受け継いだものだ。本日のプレート除幕式に我々は興奮している。みなで台湾をよりよくしていこう」と述べた。
オードリー・タン部長は数位発展部の英語の略称が「moda」であることに触れ、台湾におけるデジタル化のモーター(中国語では「馬達」。英語の「moda」と発音が近い)となり、国民全体のデジタル・レジリエンス確立、市民と技術の連結、産業と安全のレベルアップ、社会のデジタル化の加速、スマート国家のビジョンの実現を目指すと強調した。