2025/04/27

Taiwan Today

政治

「全民国防兵力の構造調整」、義務兵役を2024年から1年間に延長

2022/12/28
蔡英文総統が27日、現行の4カ月間の義務兵役訓練制度を1年間の義務兵役に戻すと宣言した(写真)。2024年から。蔡総統は、「戦いに備えてこそ戦いを避けることが出来る」と述べた。(総統府サイトより)
蔡英文総統が27日、過去2年間の評価と検討の末、現在行われている4カ月間の義務兵役訓練制度を1年間の義務兵役に戻すことにしたと宣言した。蔡総統は、「これは無類の困難な決定だ。しかし三軍の統帥として、台湾が永遠に生存していくために避けることの出来ない責任だ」と述べた。
 
蔡総統は午後に記者会見を開き、「全民国防兵力の強化に向けた構造調整計画」を発表、義務兵役を1年間に改めると宣言した。施行は2024年1月1日で、2005年1月1日以降に生まれた男子(役齢男子)を徴集する。また、二等兵の給与を保険料と食費も含めて2万6,307台湾元(約11万3,000日本円)とする。
 
蔡総統は兵力の構造調整に関する四大方向を説明した。
 
①志願兵を主とした「主戦部隊」が専門的な訓練と精鋭の戦力で国家の安全を最前線で守る。
②義務兵を主とした「常備守備部隊」を作り上げる。同部隊は主に国土の守りに備え、インフラ防護の責任を負う。
③民間の力を統合し、各省庁と地方自治体、代替役によって「民間防衛システム」を整備する。軍事作戦の支援以外に、より重要な任務として災害救助や医療、治安維持、緊急の修繕工事などを行い社会の働きを維持する責任を負う。
④「後備系統」(予備役システム)。退役した志願兵が「主戦部隊」を充実させ、退役した義務兵が「守備部隊」を充実させることを原則に、「常備部隊」と「予備役」の一体化をより明確にし、システム化を徹底する。
 
蔡総統は、遠く離れた地で起きたウクライナとロシアの戦争は300日を超えたがウクライナはまだ奮戦しており、自由を愛する人々はウクライナの人々が国を守ろうとする固い意志に感動しているとする一方、中国が平和と安定を脅かし、台湾を威圧する動きは明白だと批判。その上で蔡総統は、戦争を望む者はおらず、その点は政府と国民、国際社会も同じ立場だが、「平和は空から降って来ない」と述べて国防の必要性を指摘した。
 
蔡総統は、「戦いに備えてこそ戦いを避けることが出来る。備えが良ければよいほど中国が向こう見ずに動く可能性は小さくなる。平和は国防が頼りで国防は全国民が頼りだ。台湾が十分に強ければ戦場になることは無く、若者が戦場に赴くこともない」と語った。
 
 

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