「入出国及移民法」の一部を改正する法律案が12日、閣議決定された。改正条文は52条に及ぶ。閣議後の記者会見によると、今回の法改正のポイントは大きく3つに分けられる。第一に移民者の人権保障、第二に優秀な外国人材の誘致、第三に不法滞在者への罰則強化だ。
第一の移民者の人権保護については、台湾人配偶者と死別後、再婚していない外国人配偶者、あるいはかつて合法滞在していたが台湾人配偶者と離別した外国人配偶者について、未成年子女を養育している事実があるか、あるいは面会・交流する必要がある場合、停留ビザで入国後、居留ビザを申請できるようにする。現行の法律では、外国人配偶者は離婚後、未成年子女の監護権(=親権)を取得しなければ台湾に居留し続けることができない。また、家庭内暴力が原因で離婚した外国人配偶者の権益を守るため、家庭内暴力が原因で離婚し、かつ再婚していない外国人配偶者について、引き続き台湾に居留できるようにする。
第二の優秀な外国人材の誘致については、特殊な貢献が認められる外国人や高級専業人才(高度外国人材)としてビザを取得する外国人、さまざまな分野で最高賞を受賞した経歴を持つ外国人、投資移民を申請する外国人について、本人同様、その配偶者、未成年子女、満18歳以上の身体障がいを持つ子女も永久居留(=永住権)を申請できるようにする。
また、外国人の居留申請の手続きも簡略化する。ホワイトカラーの外国人労働者については、ノービザあるいは停留ビザで入国後、現行の規定では外交部で居留ビザへの変更を申請する必要があるが、これを免除し、移民署(日本の出入国在留管理庁に相当)で直接、居留証(日本の在留カードに相当)を申請できるようにする。その配偶者及び子女にも適用される。
また、台湾で居住することになった外国人が部屋探しや環境に慣れるために十分な時間を割けるよう、居留許可を取得した外国人が入国後に居留証を申請するまでの期限を、現行の15日から30日に延長する。
第三の不法滞在者への罰則強化については、例えば不法滞在者への罰金を現行の2,000~10,000台湾元(約8,500~約42,500日本円)から、3万~15万台湾元(約12.7万~63.7万日本円)に引き上げる。また、不法滞在者の再入国禁止期間を、現行の最長3年から、最長10年に延長する。
この改正案は立法院(国会)に送られ、審議を受けることになる。