男女の賃金は平等であるべきとの社会的意識を喚起するため、労働部(日本の厚生労働省に類似)は継続的に「同酬日」(イコール・ペイ・デイ)を発表している。労働部は、男女の平均賃金は性別の影響以外にも仕事の性質、タイプ、勤続年数、学歴・経歴など様々な要素と関係しており、格差の縮小は社会各界が共同で取り組むべき目標だとしている。
台湾の「イコール・ペイ・デイ」は行政院(内閣)主計総処が行う「被雇用者賃金調査」を根拠に、その年の男女の1時間あたり平均賃金の差を、翌年1月1日から女性が余計に何日間働けば埋められるかに換算するもの。
昨年(2022年)の台湾における女性の1時間あたり平均賃金は314台湾元(約1,377日本円)で、男性の373台湾元(約1,636日本円)の84.2%だった。その差は15.8%。つまり、女性が男性と同じ年収を得るには男性より58日間(365日×15.8%≒58日)多く働かねばならないことになる。このため2023年の「イコール・ペイ・デイ」は2月27日で、昨年と同じ日だった。
直近4年のデータから見ると、台湾における男女の平均賃金の差は2019年の14.9%から2020年には14.8%に縮小。女性が余計に働かなければならない日数はそれぞれ55日と54日だった。しかし2021年と2022年には15.8%に拡大、女性が多く働かなければならない日数も58日に増えた。2022年の男女の平均賃金はどちらも前年比で3.2%増えており、賃金格差は横ばいだった。
なお、台湾における男女の平均賃金の差は米国、日本、韓国などより小さい傾向にある。2022年、台湾の15.8%に対して日本は30.6%(2021年のデータ)、韓国は30.2%(同)、米国は17%だった。