新型コロナウイルスの感染拡大と闘った3年間余り、支援物資を寄付したり、時間や労力を費やして感染症対策に当たった「隠れた英雄たち」を顕彰するため、衛生福利部疾病管制署(台湾CDC)は2日、台北市内のホテルで「COVID-19捐贈感恩暨授獎表揚晩会」と名付けたイベントを開催した。
このイベントでは蔡英文総統と行政院の陳建仁院長(首相)が、コロナ禍で活躍・貢献した個人や団体に対してクリスタルトロフィーを贈呈し、謝意を伝えた。疾病管制署はまた、動画『罩著做,調整向前走』を公開し、1,197日間(台湾で新型コロナウイルス対策本部が設置された2020年1月20日から2023年5月1日までの期間)にわたって政府の感染症対策に協力してくれた国民に感謝した。
蔡英文総統はイベントの冒頭、新型コロナウイルス感染により不幸にも亡くなった1万9,000人余りの国民のために黙祷するとともに、政府を代表して哀悼の意を表した。そして、コロナ禍において支援物資を寄付したり、自身の時間と労力を費やして感染症対策に当たった人々に対し、「一丸となって国の安全を守り、温もりと強さを持つ社会の力を示してくれた」として感謝した。加えて、タイムリーに新型コロナウイルスワクチンを無償供与してくれた日本、米国、チェコ、ポーランド、リトアニア、スロバキアに対しても心から感謝すると述べた。また、台湾も同時に「Taiwan Can Help」の精神を発揮し、世界各国に対して支援を行い、助け合いの精神を実践したことにも言及した。
行政院の陳建仁院長は、「今回のコロナ禍では、SARS(重症急性呼吸器症候群)で台湾が培った経験や、SARS以降、長い時間をかけて準備と努力を重ねてきたことが無駄ではなかったことが証明された。最前線で感染症対策と闘った人々、医療従事者、それに全国民が一致団結したことで、我々は世界に対して、民主国家が専門的且つ効率の高い行動、それに人々の知的で自発的な助け合いによって、社会に強大な求心力を生み出せることを示した。台湾の新型コロナウイルス対策については世界各国からも高い評価を得た。世界の公衆衛生上の安全保障に、台湾が実質的な貢献ができることを改めて証明した」と述べた。
蔡英文総統と陳建仁院長はその後、コロナ禍で活躍・貢献した航空/海運、防疫車両、防疫旅館、鄰・里(台湾の末端の行政区画)の幹事、軍、警察、ボランティア、医療関係の8つの同業者組合、介護サービス、物流関係者、簡易検査キットやマスクなどの医療器材産業関係者、電信業の同業者組合、検察署・調査局や法曹人、各自治体、各省庁の個人または団体の代表に対し、108個のクリスタルトロフィーを贈呈し、それぞれの持ち場を守り、国民の健康を守るための「防衛戦」を戦い抜いたことに感謝した。