2025/06/07

Taiwan Today

政治

原子能委員会、福島第1原発の処理水放出試運転開始で省庁横断型の協力プラットフォーム確立

2023/06/14
日本の東京電力が12日、福島第1原発の放射性物質トリチウムを含んだ処理水(いわゆるALPS処理水)を海洋放出する設備の試運転を始めた。行政院原子能委員会はこれに対応するため、すでに省庁横断型のモニタリング・プラットフォームを構築していることを明らかにした。写真は行政院原子能委員会のウェブサイトに設けられたモニタリング・サイト。処理水が海洋放出された場合、台湾の周辺海域の海水及び海産物の安全状況を示す。(原子能委員会)
日本の東京電力は12日、福島第1原発の放射性物質トリチウムを含んだ処理水(いわゆるALPS処理水)を海洋放出する設備の試運転を始めたことを明らかにした。これに対して行政院原子能委員会(日本の原子力規制委員会に相当)は、すでに省庁横断型のモニタリング・プラットフォーム(https://tworis.aec.gov.tw/)を構築していることを明らかにした。放出されたALPS処理水は、放出から4年後に台湾の周辺海域に到達すると見られる。原子能委員会は、その頃には処理水のトリチウム濃度が計測器で測定できる極限を下回り、台湾への影響は極めて低いと予想している。
 
日本政府は東日本大震災から10年が経過した2021年4月に、東京電力福島第1原発の放射性物質トリチウムを含んだ処理水を海洋放出すること、その時期が今年(2023年)半ばになることを発表していた。東京電力は12日より、処理水放出設備の試運転を開始した。処理水の排出はまだ開始していないものの、東京電力は6月中に設備の試運転を済ませたいとしている。実際の放出開始時期については、日本の原子力規制委員会が使用前検査、国際原子力機関(IAEA)による安全性レビュー、それに福島県及び地元の漁業関係者の同意を得た上で決めることになっている。
 
ALPS処理水の海洋放出をめぐっては、台湾も昨年2月と12月に専門家視察団を日本に派遣した。これに加えて現在(今月12日から17日まで)も視察団が3回目となる日本訪問を行っている。今回の訪日では、東京電力福島第1原発を実際に訪れて海洋放出設備やその作業などを見学するほか、処理水の分析を行う実験室や機関などを訪問し、計測技術、処理水放出に関する環境モニタリング、安全規制などの問題について理解を深め、国際安全基準に合致しているかどうかを確認するという。
 

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