台湾の農林水産行政を担ってきた行政院農業委員会が1日、農業部に改められた。立法院(国会)で「農業部組織法」が可決され、総統によって5月1日に交付されたことを受けたもの。初代部長(=大臣)には、これまで農業委員会で主任委員を務めてきた陳吉仲氏が就任した。頼清徳副総統を含む大勢の来賓が見守る中、行政院の陳建仁院長(=首相)より任命書と印信(=大臣の印章)が陳吉仲氏に手渡された。来賓らはその後、農業部の銘板除幕式に出席。農業部は同日午後、農業部所属機関の首長の任命及び就任宣誓を終えた。
頼清徳副総統は、農民・漁民らの後ろ盾となり、台湾の農業の持続可能な発展を導いて欲しいと農業部に期待を寄せた。また、初代部長に就任した陳吉仲氏については「任重道遠(任務は重大で、それを成し遂げる道は遥かに遠い)」と述べ、これから農業部を引っ張り、関連の団体とともに協力し、生産者や農業、国家のためにさらに尽くすよう激励した。
行政院の陳建仁院長は、蔡英文総統が就任以来、農業の発展や生産者のケアに関心を寄せてきたこと、「三保一金」と呼ばれる生産者の四大福利システムの構築、口蹄疫「ワクチン非接種清浄地域」認定、アフリカ豚熱(ASF)の侵入防止、そしてこれから豚熱(CSF)のワクチン接種が台湾全域で停止されることなどは農業委員会と生産者たちの努力が実を結んだ結果だと評価した。そして、これからも陳部長のリーダーシップの下、温かい心をもって農林水産分野のあらゆる生産者をケアし、台湾の農林水産業の強靭性をより強化して欲しいと述べた。
陳吉仲部長は、農業部の発足後、農林水産業の生産者へのケアを強化し、コールドチェーンのようなインフラを全面的に始動し、あらゆる産業の競争力を全面的に向上させたいと意気込みを示した。また、農業部は国土の75%に対して責任を負っており、国土と自然の保全が適切に行われれば農業は持続可能となり、そうなれば国も持続可能になると指摘した。陳部長は農村開発の重要性にも言及し、農村を人々が安心して満足して暮らし、働くことができる場所にすることを約束した。さらに、ペットについても生まれてから死ぬまでのケアが必要だとして、新たに誕生した動物保護司が、台湾で飼われている300万匹以上のペットやあらゆる動物の福利を担当することになると説明した。陳部長は最後に、持続可能な農業や台湾の農業を強大にする目標に向かって、これから全国の農林水産業の生産者たちが農業部と一緒になって取り組み、頑張って欲しいと呼びかけた。