蔡英文総統は「国際女性デー」の8日、女性やジェンダーの問題に関して発信を続ける台湾のメディアグループ「女人迷(Womany)」が主催するフォーラム「全球女性影響力論壇」(Global Women Impact Summit、略称GWIS)に出席し、祝辞を述べるとともにイベント参加者と交流を深めた。蔡総統は冒頭で、「『国際女性デー』のこの日、大勢の人々と一緒にジェンダーについて議論したり、ジェンダー平等を目指して努力を継続できることを嬉しく思う」と述べた。以下は祝辞の概要。
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「女人迷(Womany)」が主催するイベントに初めて参加したのは2015年のことだった。9年前の2015年、社会は台湾初となる女性の総統候補者の出現に新鮮味を感じていた。きょうは総統として、皆さんとともに近年職場で遭遇したさまざまな体験について共有したい。
台湾の社会はおおむね、女性がさまざまな分野の仕事に参加したり、より多くの責任を負うことに対して前向きで、奨励する態度をとっている。自分が総統に就任してからも、政府は関連の政策の推進に取り組み、ジェンダー平等における道のりにおいて、台湾をさらに前進させてきた。例えば男性でも育児休業(中国語表記は「育嬰留職停薪」)を取得できるようにしたり、ジェンダーに配慮した多くの政策を推し進めるなどして、異なる性別の人々が職場でも家庭でも責任を分担することを奨励してきた。
2019年、台湾は同性婚を合法化して世界から注目された。当初は台湾社会が比較的保守的だと考えていた人も多かっただろうが、このことは国際社会の台湾に対するイメージを変えた。台湾人は多くの商品を生産したり、高い技術を持つだけではなく、非常に進歩的な考えを持っているのだと世界に知らしめた。
人のいるところ、どこにでも競争はある。しかし、皆に考えて欲しいのは、どのような態度で競争に臨むかだ。我々は競争の公平性を維持するとともに、社会的価値観を反映したルールを制定する必要がある。例えば今回の総統選挙は、その過程で熾烈な競争が展開された。しかし、選挙が終わってみれば、誰もがすぐに団結力を回復し、引き続き国家を守る姿勢を示している。これは世界の人々に驚きを与えている。一致団結することによって、世界の人々に台湾がほかとは違うことを示すことができるのだ。
現在の台湾は、世界の台湾でもある。台湾が世界において重要な役割を演じ、重要な地位を握っていることを否定する人はいないだろう。また、台湾をタイと混同する人も、もういないだろう。台湾積体電路製造(TSMC)の存在は、多くの国々に台湾の重要性を再認識させた。また、我々が示す団結力も、世界の人々に台湾の民主主義を再確認させる要素となっている。