20日の退任を目前に控えた蔡英文総統は14日、行政院(内閣)の施俊吉元副院長(副首相)、林萬億政務委員(無任所大臣)ら16名に景星勲章を授与した。蔡英文総統は、授与者への謝意を表し、全ての市民のための社会保障制度となる年金改革の完成、将来を見据えたインフラ計画の推進、同性婚の合法化、新型コロナウイルス感染症の対策などの貢献を称え、今後も様々な立場から、より良い台湾を築いていくことを楽しみにしていると述べた。
今回授与されたのは、「一等景星勲章」が施俊吉元副院長、「二等景星勲章」が行政院政務委員の林萬億氏、張景森氏、呉澤成氏、呉政忠氏、鄧振中氏、羅秉成氏、行政院主計総処(日本の総務省統計局に相当)の朱澤民主計長、衛生福利部(日本の厚生労働省に類似)の薛瑞元部長(大臣)と陳時中前部長、「三等景星勲章」が、内政部の花敬群次長(事務次官)、衛生福利部次長の王必勝氏と周志浩氏、衛生福利部中央健康保険署の石崇良署長、「四等景星勲章」が衛生福利部疾病管制署の荘人祥署長と羅一鈞副署長。
以下は蔡英文総統はあいさつ要旨。
過去8年間、多くの課題に直面しながらも、台湾は皆の協力のおかげで、自信を持って勇敢に前進し、世界に歩みだすことができた。勲章を授与することで、様々な政策を講じ、感染症予防に貢献したチームへの感謝を伝えることができて嬉しい。
台湾は過去8年間で進歩と変化を続け、市民の社会生活を重要視してきたことから、GDPが総統就任当時の17兆5000億台湾元(約84兆6,200億日本円)から、昨年の23兆台湾元(約111兆2,200億日本円)まで増加すると同時に、財政の安定を維持し、7年連続で経常黒字を記録した。改革を進めることは、常に困難で課題に満ちているが、皆で理想を貫き、団結して努力したからこそ、台湾のレジリエンスはより高まった。
世界で百年に一度の危機と言われた新型コロナウイルスのパンデミックが猛威をふるった中、台湾が新型コロナウイルス感染拡大の困難にも関わらず、毅然とした態度で着実に成長を続けることができたのは、防疫チームの多大な功績のおかげだ。この時期の中央感染症指揮センターが、毎日記者会見を行ったことは誰もが覚えているだろう。記者会見のわかりやすい解説によって、市民はより安心して新型コロナに立ち向かうことができた。また、重圧に耐えて、台湾の人々の健康を守るため、防疫対策の最前線に立った関係者の貢献も記憶に新しい。さらに、台湾と他の国々が感染症の流行下、互いに支え合い困難を乗り越えた「善の循環」が生み出されたことも忘れられない。
より良い台湾を築くことが我々の共通の目標だ。将来どのようなポストに就くとしても、この目標に向けて努力を続けると信じている。