「全社会防衛靭性委員会」(全社会防衛レジリエンス委員会)は27日、台湾南部の台南で実地演習を行った。頼清徳総統は、初めての「想定あり、台本なし」の実地演習であり、かつ「救急医療場所の拡充」演習も初の試みであると述べた。
頼総統は、今回、中央政府、地方自治体、民間において日頃から十分な訓練を受けている1,500人以上がこの演習に全力で取り組んだからこそ「想定あり、台本なし」という緊急のの状況下でも十分な専門性を発揮して演習が実施できたと述べ、参加者がリアリティをもって頸動脈出血やショック状態に陥ったという想定の重症患者を演じるなどし、医師たちもこれに全力で応じたと評価した。
頼総統は、演習の成功によって参加者の専門性だけではなく、今後推進すべき4つの重要な原則も示されたと述べた。まず第一には、総統府、全社会防衛レジリエンス委員会、黄偉傑台南市長が率いるチームが演習の計画から実施まで緊密に連携したことに代表される、中央政府と地方政府の協力。第二には、宗教団体や宗教系の公益団体、商店街などそれぞれの市民による取り組み。第三には、地域を越えた支援の統合。黄台南市長によれば、彰化県、嘉義県・市、そして隣接する高雄市の人々もこの取り組みに参加した。第四に、コミュニティにおける自主的な行動。頼総統は、台南市東区虎尾寮民間救援隊、湾里松安地区水害自主隊や、喜樹喜南レジリエンス地区、鹽埕開南地区から、安平などのコミュニティまでが自ら積極的に取り組みに参加していると指摘した。
また頼総統は、4月に実施される「城鎮レジリエンス演習」の目的は、台湾社会におけるレジリエンスの構築を促進し、自然災害や地震、多数の負傷者が発生するような大規模な事故、或いは地域の地政学的変化に適切に対応できるようにすることであると述べた。
頼総統は、「予防は治療よりも重要である」、「敵が来ないことを頼みにせず、我々自身の備えを頼みにする」ことこそが重要であり、そうすれば、何かが起こったときに、損害を減らすことができると語った。さらに、頼総統は、国軍の力だけでなく、地域社会全体の防衛レジリエンスの高さによって台湾の安全を確保し、実力を発揮することによって平和を達成できるよう目指したいとの期待を述べた。