ホロコースト犠牲者を想起する国際デー(ホロコースト記念日とも)は、ホロコーストの歴史的教訓を風化させないよう国連が2005年に制定したもので、1月27日が指定されているが、台湾では2016年以降、毎年3~4月に関連の活動を開催している。今年はホロコーストを生き抜いたYehudit Bikszさんの孫娘、Orly Selaさんが台湾にやってきて、ナチスドイツから逃げ延びた祖母の経験を語った。
総統就任後、初の参加となった頼清徳総統は、「このイベントは決して過去を振り返るだけのものではなく、未来への警告でもある。それは、恨みや妬み、偏見、過激主義が全人類に及ぼす脅威を我々に思い出させ、良心、正義、民主主義、人権が残虐行為や専制主義に抵抗する上で重要な力であることを教えてくれる」と述べた。
頼総統はまた、「平和はプライスレスであり、戦争に勝者はない」と指摘し、今後も民主主義のパートナー諸国との連携を深化させ、地域及び平和の平和と安定を守っていくこと、台湾がこれからもさまざまな社会貢献を通して、国際社会とともに民主主義、自由、人権などを守っていくことなどを約束した。
また、立法院院長(国会議長)であり台湾民主基金会董事長を兼ねる韓国瑜氏は、このイベントは台湾社会に大虐殺の歴史を理解してもらい、同じような悲劇が二度と起こらないようにするため、2016年以降、台湾で毎年開催しているものだと説明。「台湾は文明社会として、たとえ政治的立場が異なるとしても、歴史や人権に対する最低限の尊重は持つべきであり、ホロコーストの犠牲者を追悼するとともに、生存者の声に耳を傾け、普遍的価値を共に守っていく責任が自分たちにはある」と述べた。