農業部はWOAHの陸生動物衛生基準に基づき、2023年7月1日から豚熱ワクチンの接種を全面中止し、段階的に防疫・検疫およびモニタリングのデータ等を整理・収集してきた。2024年8月にはWOAHに対して「豚熱(CSF)清浄地域」の認定申請を正式に行い、その後、専門家による審査結果に応じて補足資料を提出した結果、今回正式に「豚熱(CSF)清浄地域」のステータス認証を取得するに至った。
豚熱は台湾でも「甲類動物伝染病」に分類され、WOAHでも通報義務のある特定疾病に指定されている。全身性の出血性病変が特徴で、妊娠した豚が感染すると流死産を引き起こす。極めて感染力が強く、致死率も高いのが特徴で、アジアの多くの国でまん延している。しかし台湾では、2005年に彰化県(台湾中部)で最後の感染例が確認されて以来、新たな感染例は1件も報告されていない。
これにより台湾は「口蹄疫」、「アフリカ豚熱(ASF)」に続いて「豚熱」と、豚の三大疾病すべてにおいてWOAHから「清浄地域」のステータス認証を受けたことになる。これはアジアで唯一の快挙。
農業部は、「この栄誉は台湾における防疫・検疫戦略の大きな成果であると同時に、台湾産豚肉および関連製品が国際市場へ進出するための道を切り拓くもの。台湾の畜産業への信頼と国際競争力を大幅に高めることになる」と期待を寄せている。