2025/06/15

Taiwan Today

政治

頼清徳総統が海上安全訓練の「海安12号演習」を視察

2025/06/09
「国家海洋日」の8日、頼清徳総統は高雄港第16・17バースで開催された海上安全及び海難救助のための合同訓練「海安12号演習」を視察した。(総統府)
「国家海洋日」となった8日、頼清徳総統が台湾南部・高雄市の高雄港第16、17バースで開催された海上安全及び海難救助のための合同訓練「海安12号演習」を視察した。
 
この訓練は、海洋委員会海巡署(日本の海上保安庁に相当)、国防部空軍救護隊、海軍反潜航空指揮部(対潜航空指揮部)、内政部空中勤務総隊など複数の政府・軍関係機関が2年ごとに合同で実施するもの。今年は「海上での追跡、包囲、拿捕」、ロープと降下器を使って要救助者をヘリコプターに乗せる「吊上げ訓練」、それに海巡署の巡視船や空軍・海軍の軍艦、ヘリコプターなどを総動員した「海と空の分列行進」の3つのプログラムが行われ、海上での突発事件・事故に対する政府機関の連携対応能力が示された。
 
頼総統は、「近年の国際情勢は目まぐるしく変化しており、極端な気象現象も増えている。さらには台湾は、中国によるグレーゾーン作戦にも直面している。そうした中、沿岸警備にあたる海巡署の隊員たちは最前線で法の執行に取り組み、犯罪や密輸の摘発、海難救助活動に取り組み、国民の生命と財産を守っている」と述べた。さらに総統は、「複雑化する海域の安全に対応するには、決意だけでは不十分であり、資源を継続的に投入する必要がある」と述べ、行政院(内閣)がこのほど編成した総額4,100億台湾元(約1.9兆日本円)の特別予算では、巡視船の建造計画、無人機(ドローン)や台湾を取り囲むスマート・モニタリングシステムの整備、人材育成や装備の近代化などを目指すことを明らかにした。
 
頼総統はさらに、海巡署にとって現在必要なのは赤外線熱画像システムの配備であり、これは夜間でも海上の動向を把握するのに不可欠であると指摘した。同時に、水中、水上、空中のいずれにおいても、無人機やスマート・モニタリング・システムの導入によって海・陸・空の三方面から台湾の防衛力を強化し、「青い領土」(つまり領海のこと)を守っていく必要があると語った。
 
午後には国産巡視船「雲林艦」(4,000トン級)が一般公開されたほか、その他複数の艦艇の静態展示も行われた。また、近隣の高雄流行音楽センターでは海洋をテーマにしたダンスや演劇などのイベントも行われた。
 
台湾では2019年11月20日に公布された「海洋基本法」第18条で、国連が2009年に定めた「世界海洋デー」(6月8日)に呼応し、毎年6月8日を「国家海洋日」とすることが定められている。
 

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