2025/07/07

Taiwan Today

政治

内政部警政署が防空・避難に関する特別展開催、国民の防災意識の向上目指し

2025/07/03
内政部警政署は2日から30日までの期間、台北MRT(メトロ)西門駅5番出口側のスペースを利用して、「守護の盾-防空・避難体験特別展」を開催している。防災グッズの展示などを通して市民の防災意識を高め、備えを強化してもらうのが狙いだ。(行政院)
内政部警政署は2日から30日までの期間、台北MRT(メトロ)西門駅5番出口側のスペースを利用して、「守護の盾-防空・避難体験特別展」を開催している。防災グッズの展示などを通して市民の防災意識を高め、備えを強化してもらうのが狙いだ。
 
政府は7月を「国家団結月」と定め、7月9日から18日まで軍による大規模軍事演習「漢光演習」を実施するほか、今年は軍と民間人による合同防空演習「万安演習」と防災訓練「民安演習」を統合した「城鎮靱性演習」(都市の強靭性演習)が7月15日に台中市で、16日に台南市で、17日に台北市でそれぞれ実施される。
 
内政部警政署の特別展はこれに合わせて実施するもので、2日に行われた開幕式には行政院の卓栄泰院長(首相)と内政部の劉世芳部長が出席した。
 
劉部長は、防空・避難に関する準備は、演習を通して手順になれるだけでなく、非日常的状況に置かれたときに市民全員が迅速かつ柔軟に対応できるよう、集団的な能力を高める必要があると訴えた。劉部長は、「これは私たち一人一人が日常的に取り組むべき課題だ」とした上で、日ごろから防災グッズを用意し、避難経路を確認しておくことが、いざというときに迅速に対応し、自らを助け、他人を助けることを可能にし、ひいては地域コミュニティや国家の安全を守ることができるのだと強調した。
 
劉部長はまた市民に対して、(1)防災・避難アプリ(内政部警政署の「警政服務」や内政部消防署の「消防防災e點通」など)をダウンロードすること、(2)緊急避難用の防災バッグを用意しておくこと、(3)内政部が発表した「防空避難指引」(防空・避難ガイドライン)に従うこと、の3つを実行に移して欲しいと呼びかけた。
 
劉部長によると、台湾全土には現在、8万2000以上の防空避難施設が整備され、約5000万人の収容が可能となっている(ちなみに台湾の総人口は2,300万人)。例えば台北メトロには14の「民防駅」があり、そのうち西門駅は最大3万4000人の収容が可能だ。「民防駅」とは厚さ60センチメートルの防爆プレートが使用され、空襲による爆撃に耐えうる構造の駅を指し、具体的には台大医院、中正紀念堂、古亭、西門、忠孝新生、忠孝復興、徐匯中学、東門、松江南京、三重、頭前庄、南港展覽館、大安、南京復興の14駅だという。
 
また、行政院の卓栄泰院長は、「国際情勢が不安定な中、ロシア・ウクライナ戦争は収束せず、中東でも新たな戦争が発生している。台湾も地政学的には、民主主義と共産主義が対峙する第一列島線という防衛ラインの最前線に位置している。中国軍の戦闘機や艦船が頻繁に威嚇行為を行っていることに加え、自然災害の脅威にも直面している。これらは、国家や社会の安全保障のレジリエンスと関わることであるため、各地で演習を展開する必要がある。つまり『国家には団結が、防災には備えが必要』なのである」と述べ、演習の意義を説明した。
 

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