2025/07/20

Taiwan Today

政治

頼清徳総統と卓栄泰行政院長、手分けして台風4号被災地視察

2025/07/09
6日から7日にかけて台湾を通過した台風4号は、中南部を中心に甚大な被害を残した。8日、頼清徳総統は台南市を、行政院の卓栄泰院長(首相)は嘉義県新港郷を訪れ、被害の状況を確認し、地元の人々の声に耳を傾けた。写真は文旦の落果被害について視察する頼清徳総統。(総統府)
台風4号の影響で、台湾全土で650本以上の電柱が破損した。(総統府)
6日から7日にかけて台湾を通過した台風4号は、中南部を中心に甚大な被害を残した。頼清徳総統は8日、台南市を訪れて被害状況を視察した上で、農業や漁業関係者の声に耳を傾けた。また、行政院の卓栄泰院長(首相)は嘉義県新港郷を訪れ、農地の被害状況や、倒壊した台湾電力公司の送電塔の復旧作業などを視察した。
 
頼総統は8日午前、文旦(ブンタン、ザボン)の産地として知られる台南市麻豆区を訪れ、文旦の落果被害の状況を確認するとともに、現地の住民に対して政府の対応や方針などを説明した。農業部の陳駿季部長(農相)、経済部の郭智輝部長(経済相)、農業部漁業署(水産庁に相当)の王茂城署長も同行した。
 
台南市の黄偉哲市長は頼総統に対し、今回の台風は大規模な洪水こそ引き起こさなかったものの、風力が極めて強く、文旦農園では広い範囲で落果が発生し、甚大な損失を被っていると報告した。黄市長は、生産者たちの一年間の苦労が水の泡となり、現在の喫緊の課題は農園内の落果の処理だとして、国の安全に支障が出ない範囲で、国防部に対して国軍による清掃支援の継続をお願いしたいと述べた。
 
頼総統はその後、台南市北門区の蘆竹溝漁港に足を運び、漁船などの被害状況を視察した。漁業署のブリーフィングを聴取した後、現地の農業・漁業関係者、それに一般市民からの質問や要望にも耳を傾けた。
 
ある住民は、すでに3日間も停電が続いており、日常生活に大きな影響が出ているとして早急の電力復旧を求めた。また別の住民は、蘆竹溝漁港の漁船やカキの養殖棚のおよそ7割が被害を受け、カキの殻をむく作業小屋も強風で損壊したことを訴え、補助金による補填のほか、排水のためのモーターや堤防といった施設の増設することで、対策を強化し、次の台風にそなえられるようを要望した。
 
頼総統は、住民からの要望について、政府機関が積極的に対応することを約束した上で、農業部、経済部、台湾電力公司などに対して住民からも励ましの声を送ってほしいと呼びかけ、「皆でこの困難を乗り越えていこう」と訴えた。
 
一方、行政院の卓栄泰院長はこの日、嘉義県の翁章梁県長(県知事)、与党・民進党の蔡易餘立法委員や陳冠廷立法委員らと共に嘉義県新港郷を訪れ、農地の被害や台湾電力公司の送電塔の倒壊被害の状況などを視察した。
 
嘉義県によると、台風4号の影響で、嘉義県布袋鎮にある送電線「新塭-永華線」では#2号、#3号、#4号送電塔が倒壊。骨組みが著しく変形したことにより、電力供給システムに深刻な影響が出た。嘉義県内では8日正午の時点で、5万3700戸以上で停電が続いている。
 
翁章梁県長は、台湾電力公司の職員が昼夜を問わず復旧作業に取り組んでおり、県としても台湾電力公司と協力して全力で電力復旧に取り組み、一日も早く日常を取り戻したいと語った。
 

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