Janusz Henryk Bilski代表は中国語が非常に流ちょうで、これまでベトナム、チェコ、マレーシアに駐在するなど外交経験も豊富だ。林部長は、「こうした優れた外交官が台湾に派遣されたことは、ポーランド政府が台湾との関係を非常に重視していることの表れだ」として歓迎した。
林部長はまた、Janusz Henryk Bilski代表がポーランド中央部の都市ウッチ(Łódź)の出身であると知り、より親近感を抱いたという。なぜなら林部長は昨年、ポーランドを訪問した際にウッチを訪れたことがあり、ウッチは台湾企業にとって重要な投資拠点だからだ。例えば食品大手の奇美食品、ノートパソコン受託生産大手の仁宝電子(コンパル・エレクトロニクス)、自転車の愛地雅(アイデアル)などがここに工場を設立しており、台湾とポーランドの経済協力の成果を象徴するスポットとなっている。
林部長は、世界規模でサプライチェーンの再構築が進む中、台湾とポーランドは「台湾ポーランド経済貿易諮商会議」(通商会議)を毎年開催して経済協力を深めると同時に、「中東欧半導体サプライチェーン・レジリエンス計画」を推進しているとし、ポーランドがドイツ、チェコと共に「ヨーロッパ半導体トライアングル」を形成することで、台湾のハイテク製造業のグローバルな影響力を拡大していければと期待を寄せた。
また、台湾とポーランドの間では現在、エバー航空とLOTポーランド航空がコードシェア便を運航しており、桃園国際空港からワルシャワ・ショパン空港へのアクセスが可能となっている。林部長とJanusz Henryk Bilski代表は、交通の利便性が双方の貿易や投資を促進するうえで重要であり、また文化交流も重要項目の一つであるとの考えで一致。芸術団体の派遣や博物館の展示品の交流などにより、双方の国民の距離を縮めていくことについて話し合った。
Janusz Henryk Bilski代表は20年以上前に台湾を訪れた経験があり、台湾のグルメ、文化や歴史、風景に強い印象を持っていると語った。今回の台湾駐在について「非常に光栄であり、嬉しく思っている」と述べるJanusz Henryk Bilski代表に対し、林部長は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)下にあった2022年に出版した『和林佳龍一起去旅行』(林佳龍と一緒に旅に出よう)という旅行書籍を手渡し、ぜひ家族と一緒に台湾の美しさをじっくり体験して欲しいと伝えた。