オーストリア出身で現在83歳の谷寒松(Luis Gutheinz, SJ.)神父は台湾のハンセン病患者を支援して43年。12日に中華民国国民身分証、「戸口名簿」(住民票に類似)を手にし、正式な「台湾人」となった。Luis Gutheinz神父は感激し、「台湾を愛するために生まれてきた。自分は台湾人だ」と語った。
陳建仁副総統の夫人である羅鳳蘋女史、衛生福利部(日本の厚労省に類似)楽生療養院の入所者、輔仁大学(台湾北部・新北市)の職員、オーストリア駐台湾弁事処の副処長ら120人近くが、新北市がLuis Gutheinz神父に国民身分証を手渡すのに立ち会った。楽生療養院の第二院区はハンセン病患者の療養所で新北市にある。
Luis Gutheinz神父は1933年にオーストリアで生まれ。1974年に台湾にやってきて輔仁大学で教鞭をとった。そして43年前、自ら楽生療養院でハンセン病患者への奉仕に加わった。第14回医療奉仕賞を受けている。83歳となった今も退職せず、輔仁聖博敏神学院で講義している他、楽生療養院の患者たちへも関心を寄せ続けている。また、「中国痲瘋(ハンセン病)服務協会」を通じて、国内外のハンセン病患者とその家族に奉仕活動を行っている。
新北市の侯友宜副市長は、Luis Gutheinz神父は天使のように慈愛を以てハンセン病患者を支援し、医療と物質面での生活の改善に努めており、患者たちが病魔に立ち向かうための大きな支えになっていると評価、国民身分証を授けることは、Luis Gutheinz神父がこの土地のために尽くしてきた努力に対する新北市の謝意の表れだと述べた。侯副市長はそして、Luis Gutheinz神父は「台湾の人より台湾を愛している」と称えた。
Luis Gutheinz神父は新北市において、特殊な功績によって国民身分証を手にした2人目の外国人。1人目は梅冬祺(Pierre Mertens)神父。