台湾のコリオグラファー(振付家)、頼翃中(Lai Hung Chung)さんがこのほど、スペインの「ブルゴス&ニューヨーク国際振付コンペティション(Burgos & New York International Choreography Competition)」で優勝。この大会で台湾の新進振付家が受賞するのは近年では二度目となる。
このコンペは、ブルゴス現代バレエ協会とブルゴス観光文化局が共催するもので、現代のコリオグラフィーとその創造性を鼓舞することが目的。同コンペは7月28日に閉幕、頼翃中さんの『Birdy』がモダンダンス部門で優勝した。台湾の若いコリオグラファーがこのコンペで受賞するのは、2015年に蔡博丞さん率いる「丞舞製作団体」が優勝して以来二度目。
今年のモダンダンス部門には134点の作品がエントリー、そのうち14点がブルゴスでの本戦に進んだ。頼翃中さんの「翃舞製作」からは『守(Watcher)』と『Birdy』が入選、そのうち『Birdy』は決勝に残り、最終的に優勝した。
『Birdy』は、人類が鳥となって空の果てへと向かい、自由な空を追い求めたいと夢見ながら、現実には様々な道徳観や価値観、規範や責任の束縛を受けて思うようにできず、その生活も有形無形の檻に満ちていることを表現したもの。ダンサーは京劇でよく見られる「翎子」(雉の尾に孔雀の羽をあしらったもの。頭から2本伸びる)を頭に付ける。「翎子」はダンサーの感情を表現するだけでなく、鳥獣のイメージ、感情表現の延長、現実から離れたいという渇望、夢の追求などを象徴する。
「翃舞製作」は今年6月、ドイツ・ハノーバーで行われた「ハノーバー国際振付コンペティション(International Choreographic Competition Hannover)」において、『守』が第三位、及び審査員特別賞を獲得しており、相次いで高い評価を受けたことになる。「翃舞製作」は10月にもスペインのカナリア諸島を訪れ、「国際コンテンポラリー・ダンス・フェスティバル(MASDANZA)及びコンペティション」に参加する予定。