フィリピン籍のシスター、満詠萱(Anuna O Losa)さんは嘉義県(台湾中南部)で奉仕活動に努めて27年。青春の日々を全て心身に障害を持つ子供たちのために捧げてきた。Anuna O Losaさんは4日午前、障害者施設のカトリック敏道家園にて中華民国(台湾)の国民身分証を受け取った。内政部(日本の省レベルに相当)の邱昌嶽常務次長(事務次官に相当)が「帰化許可証書」を、張花冠嘉義県長(県知事)が国民身分証と「戸口名簿」(住民票に類似)を手渡した。
Anuna O Losaさんは2014年、症状の重い心身障害者の生涯を通じたケアを行うため敏道家園に移った。また、同施設における仕事の余暇を利用して、婚姻のため台湾にやって来て海辺の町で暮らす外国人配偶者が台湾での生活に適応できるようサポートし、家庭内でのいざこざやコミュニケーションの問題を減らしている。内政部の邱常務次長は、「Anuna O Losaさんは長期にわたり、複数の障害を持つ子供たちのケアと外国人配偶者への支援を絶えず続けてきた。また、社会各界が心身障害者を知り、受け入れることを提唱してきた。弱者に奉仕し続け、休むことのないその態度と精神に敬服する」と称えた。
嘉義県の張県長は、Anuna O Losaさんの身長はわずか143㎝ながら、心身に障害を持つ子供たちのために行っている奉仕は「小さな巨人」のようだと敬意を表した。張県長は、「薬剤師としての専門能力を持つAnuna O Losaさんは1990年に蒲敏道(Franz Burkhardt, SJ)神父の要請に応じ、フィリピンから嘉義県の東石郷にある聖心教養院にやって来て薬に関する仕事に従事してきた。2014年には敏道家園に移って奉仕活動を続けている。31歳から58歳までの日々を全て子どもたちのために捧げた」と紹介した。
Anuna O Losaさんは1997年と2007年に、嘉義県が心身障害者への福祉で功績のあったと表彰する対象に選ばれた。2005年には 周大観文教基金会による「第9回全球熱愛生命奨章(命への愛情賞)」、2007年には当時の行政院衛生署(現在の衛生福利部=日本の厚労省に類似)の「第17回医療奉献奨(貢献賞)」、2011年には「第4回全国児童守護天使奨」を受賞。さらに2015年には内政部の「優秀な外国籍の宗教家」に選出された。