2025/08/08

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「アジアのレジェンド」、鄭兆村の驚異の一投がIAAFサイトに

2017/08/28
台北ユニバーシアード陸上男子やり投げ種目で26日、台湾の鄭兆村選手(写真)がアジア新記録の91メートル36センチで金メダルを獲得。国際陸上競技連盟がウェブサイトで紹介した。(中央社)
2017年夏季ユニバーシアード台北大会における陸上男子やり投げ種目で26日、中華民国(台湾)の鄭兆村選手がアジア新記録となる91メートル36センチで金メダルを獲得。この見事な投擲により、鄭選手は国際陸上競技連盟(IAAF)の公式ウェブサイトで紹介された。
 
ドイツのAndreas Hofmann選手は第3投で85メートル59センチを投げてトップに躍り出た。金メダルを手にしたかに見えたが、鄭兆村選手が第6投でアジア記録を更新する91メートル36センチを投げて逆転。Hofmann選手も最後の一投で自己ベストとなる91メートル7センチを記録したが、鄭選手には及ばなかった。この試合で鄭選手は、まずリードしながら逆転されて一時は3位に後退、最後の一投でアジア新記録をマークして優勝するというドラマチックな展開で、台湾の観客たちを熱狂させた。
 
鄭選手の見事な成績は、国際陸上競技連盟の公式ウェブサイトでも「鄭兆村、台北でアジア新記録の91メートル36センチ」というタイトルで報じられた。この報道では、鄭選手が試合前にコーチに対し、アジアで初めて90メートル以上を記録して「アジアのやり投げのレジェンド」になりたいと話していたことを紹介、地元で驚くべき成績を残したと称えた。鄭選手とHofmann選手は26日の競技で、いずれも90メートルを超える投擲を見せ、「90メートルクラブ」の17人目と18人目の会員となった。(世界で90メートル以上を投げた17人目と18人目の選手となった)
 
また、中華民国(台湾)の黄士峰選手は第4投で自己ベストとなる86メートル64センチを投げて銅メダルを獲得した。
 
国際陸上競技連盟のウェブサイトに掲載されている記録によれば、鄭兆村選手は今年のやり投げ種目でドイツの2選手に次ぐ、世界で3番目の選手となった。今年の第一人者はドイツのVetter Johannes選手で、7月11日にスイスのルツェルンで94メートル44センチを記録している。また、Johannes選手は8月18日にも今年3位の記録となる93メートル88センチをマークした。次いでリオデジャネイロオリンピックの金メダリスト、ドイツのThomas Rohler選手で、5月5日にドーハで93メートル90センチという今年2位の成績を残している。Rohler選手はまた、6月28日にはチェコのオストラバで91メートル53センチを投げた。鄭兆村選手の91メートル36センチは今年世界5位の記録であり、選手としては世界で3番目となる。
 
試合後、けがによるスランプをどのように乗り越え、グラウンドに戻って来られたのか、また短期間で全国記録を相次いで塗り替え、さらにはアジア新記録で「アジアのレジェンド」となれたのかを聞かれた鄭選手は、スウェーデン籍のAnders Borgstromコーチのおかげで、「どうしてかわからない。コーチにたずねてみては」と答えた。Borgstromコーチは、台湾の選手は才能にあふれ、技術も優れているとして、「台湾では、選手の成長を助けるカギを見つけようとしただけだ」と話した。
 
この大会までアジアで90メートルを投げた選手はいなかった。鄭選手の一投は90メートルの「聖域」に届き、中国大陸の趙慶剛選手が2014年の仁川アジア大会で記録した89メートル15センチのアジア記録を更新。台湾でアジア記録を保持する唯一の現役陸上選手となった。
 
天主教輔仁大学(台湾北部・新北市)で学ぶ鄭兆村選手は23歳。90メートルの大台を突破した鄭選手はさらに高みを目指す。2020年の東京オリンピックでは表彰台に上る鄭選手の姿が見られるかもしれない。
 

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