2025/07/23

Taiwan Today

文化・社会

台湾で40数年奉仕、頼甘霖神父に「医療奉献賞」個人賞

2017/09/26
第27回「医療奉献賞」の授与式が23日に行われ、今年3月に中華民国国籍を取得したばかりの頼甘霖(本名はAndrés Díaz deRábago)神父に「医療奉献賞」個人賞が贈られた。頼甘霖神父がスペイン帰国中で不在のため、授与式には古亭耶穌聖心堂の裴育聖神父(右)が代理で出席した。写真左は陳建仁副総統。(中央社)
第27回「医療奉献賞」の授与式が23日に行われ、1969年に台湾に移り住んで以来、40数年にわたって奉仕してきたスペイン出身の頼甘霖(本名はAndrés Díaz deRábago)神父に「医療奉献賞」個人賞が贈られた。頼甘霖神父は今年101歳。今年3月、「特殊な貢献があった外国人」の要件が適用され、中華民国(台湾)の国籍を取得したばかり。
 
頼甘霖神父は1917年にスペインで生まれた。両親にとっては7番目の子どもだった。祖父は大学の教員で、農村の貧困問題に関心を寄せていた。両親は自宅で、農家への信用貸付を行っていた。これは、農家の人々に対して、収穫前に金銭の貸し付けを行い、収穫後はその貯蓄預金に協力するというものだった。こうした環境の下、頼甘霖神父にも人助けをしたいという気持ちが芽生え、やがて医療によって人助けをする志を立てた。
 
大学の医学部を卒業後、カトリック信者だった頼甘霖神父は16年間にわたり修道士になるための育成を受け、天主に仕える決意をした。第二次世界大戦後に中国大陸やフィリピンへ渡って奉仕した後、イエズス会の指示により、1969年に台湾へ派遣された。台湾では1970年以降、国立台湾大学医学院で医学倫理などを教え、台湾の医療人材を多数指導してきた。また、非行青少年の更生にも力を入れ、彼らの心を潤した。2年前に退職したものの、いまでも台北エリアにある大小さまざまな病院に足を運んでは、患者たちを見舞い、祈りをささげる日々を送っている。
 
頼甘霖神父がスペイン帰国中で不在のため、23日の授与式には古亭耶穌聖心堂(台湾北部・台北市大安区)の裴育聖神父が代理で出席した。裴育聖神父は授与式で、今年3月に中華民国国籍を取得した際、頼甘霖神父が自分のことを「台湾で生まれたばかりの100歳の赤ちゃんだ」と言って喜んでいたこと、子どものころに教師から聞いた「フォルモサ」が自分の家になったばかりか、この場所の身分証まで手に入れることができたと感慨深く話していたこと、などのエピソードを紹介した。「フォルモサ」とは、ポルトガル語の「Ilha Formosa(美しい島の意味)」に由来する台湾の別称。
 
頼甘霖神父は事前に録画してあった動画で受賞の喜びを伝えた。頼甘霖神父は、「この賞を授与されたことに感動すると共に、一人で受け止めるには大きすぎると感じている。なぜなら、台湾にはこの賞を受けるに値する、良い人がもっとたくさんいるからだ。自分は年老いてしまったが、これからも永遠に台湾を愛し、自分が出会うすべての台湾の人々を愛したい。ここが、自分にとって終の棲家であると信じており、天国に召されるその日まで、ここで奉仕し続けたい。」と話した。
 

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