文化部(日本の省レベルに相当)は毎年10月17日を「台湾文化の日」と定めており、17日には台湾全土の各地でこれに呼応した一連のイベントが行われた。また、文化部とそれに所属する団体、国立故宮博物院などの「文化館」147カ所は1日無料となった。
文化部は17日午前に国立台湾大学(台湾北部・台北市)の医学人文博物館で「台湾文化の日」系列活動記者会見を開くと共に、台湾文化協会設立96周年を祝賀。また、夜7時には台湾中部・台中市にある国立台湾美術館の正門広場で、「台湾前進せよ・コンサート」を開催する。
一方、台湾南部・台南市にある国立台湾文学館は今年、「文学少年少女の大舞台」をテーマに、同館設立14周年祝賀及び「台湾文化の日」系列活動を実施。17日には「文学文物寄贈謝恩セレモニー」を行い、文学や文物の寄贈者を招いて感謝状を手渡した。
「台湾文化の日」は、1921年10月17日に蒋渭水氏、林献堂氏ら長期的視野を持つ文化人が日本の植民政府の圧力を恐れずに「台湾文化協会」を設立したことに由来する。「台湾文化協会」の設立は台湾文化の啓蒙運動を巻き起こした他、台湾を主体とした価値観を広め、20世紀における文化啓蒙の最初の大きな波を台湾にもたらした。
17日夜7時に国立台湾美術館の正門広場で開かれる「台湾前進せよ・コンサート」では、国立台湾交響楽団が台湾の文化と密接な関係にある、それぞれの時代の楽曲を演奏する。様々な面から、台湾の良質かつ豊富、さらには強靭な生命力を持つ音楽を紹介することで、かつての文化人に敬意を示し、文化の伝承と発揚に努める。