2025/07/09

Taiwan Today

文化・社会

劉金標氏が旭日中綬章、「自転車新文化」を提唱

2017/11/24
台湾における日本大使館に相当する公益財団法人日本台湾交流協会台北事務所は23日、台湾北部・台北市にある代表公邸で、秋の外国人叙勲で旭日中綬章を受章した台湾の自転車大手、巨大集団の創業者である劉金標氏(左)に対する勲章伝達式を行った。写真右は同事務所の沼田幹夫代表(=大使)(中央社)
台湾における日本大使館に相当する公益財団法人日本台湾交流協会台北事務所は23日、台湾北部・台北市にある代表公邸(=大使公邸に相当)で、秋の外国人叙勲で旭日中綬章を受章した台湾の自転車大手、巨大集団(GIANTグループ)の創業者である劉金標(キング・リュー)氏(83歳)に対する勲章伝達式を行った。同事務所の沼田幹夫代表(=大使)が、日本の天皇から授与された勲記及び勲章を劉金標氏に伝達した。
 
勲章を伝達された劉金標氏は、「(巨大集団の中核を成す)巨大機械公司は1972年に創業した。当時、台湾の工業水準は低く、質の高い日本製品に追い付くため、日本の多くの企業から最先端の指導を受けた」と感謝の言葉を述べた。
 
劉金標氏が2007年に初めて自転車の台湾一周に挑戦して以来、台湾ではサイクリング熱が徐々に高まっている。劉金標氏は、かつて日本から受けた恩に報いるためにも、信念をもってサイクリングの良さを日本にアピールしている。
 
劉金標氏は取材に対し、「自転車に乗ることをスポーツにすることもできるし、あるいは自転車に乗って郊外へ出かけ、人と交流をすることもできる。こうしたライフスタイルは、すでに時代の潮流となっている。台湾はこの点では、日本より進んでいる。日本は自転車人口が多い割に、サイクリングイベントは相対的に少ないからだ」と指摘。台湾と日本はサイクリングイベントでより交流を深めることができると述べた。
 
「台湾一周」というサイクリングスタイルは、近年日本の自転車愛好家たちの関心を引き付けている。劉金標氏が提唱する「自転車新文化」は、自転車の使い方を少し変えるだけで、「健康」、「友情」、「生きがい」が得られると主張するものだ。しかし、劉金標氏は「それには誰かのリードが必要だ」と話す。その例として、愛媛県の中村時広知事が「瀬戸内しまなみ海道」を世界に発信することで、愛媛県を「 サイクリング・パラダイス」に押し上げたことを紹介した。
 
劉金標氏は、日本にはまだ自転車文化を推進する価値のある地方がたくさんあると言う。例えば日本の滋賀県は現在、自転車で琵琶湖を一周する「 ビワイチ」を台湾に売り込んでいる。
 
沼田代表は、「劉金標氏は73歳と80歳のとき、自転車の台湾一周に挑戦し、自転車の魅力を自ら感じ、自転車文化を体験した。そして『自転車の宣教師』と名乗り、日本の数多くの地方自治体と共に自転車を取り入れた地域振興を精力的に進めている。これは、日本と台湾の両面から自転車の社会的価値を高めるもので、自転車を活用した地域振興において非常に深い意義を持つ」とし、劉金標氏が日本と台湾の関係強化及び友好親善に大きく寄与していることを称えた。
 

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