2025/06/17

Taiwan Today

文化・社会

パリ・マンガ・サロンに台湾の女性漫画家4名参加

2017/12/07
フランスで8日から10日まで開催される「パリ・マンガ・サロン」に、台湾から房瑞儀さん、翁瑜鴻さん、何家儀さんと林莉菁さんの女性漫画家4名が参加する。写真は左上から時計回りに房瑞儀さん、翁瑜鴻さん、林莉菁さん、何家儀さんの作品。(「パリ・マンガ・サロン」公式サイトより)
「パリ・マンガ・サロン」(SalOn de la Bande Dessinée、略称SoBD)」は毎年クリスマス前に仏パリのマレ地区(ル・マレ)で開催される漫画の祭典。毎年100名近くの漫画関係の記者や評論家が集まり、その年に出版された漫画評論書のなかから最も優れた本を選出している。また、漫画に関する講演会やワークショップも多数開催。出展する漫画出版社は40社以上に上る。その中には、「漫画におけるカンヌ」と呼ばれる「アングレーム国際漫画祭」(仏アングレーム市)でノミネートあるいは受賞した出版社も少なくない。
 
今年の「パリ・マンガ・サロン」には、文化部(日本の文部科学省に類似)の推薦を受け、アングレームにある「作家館」(La Maison des Auteurs)への入居資格を得た漫画家の房瑞儀(FANG Ruei-yi )さん、翁瑜鴻(WENG Yu-hung)さん、それに過去に「アングレーム国際漫画蔡」で新人賞を受賞したことがある仏在住の台湾出身漫画家、何学儀(HO Hsueh-yi )さんと林莉菁(Li-Chin Lin )さんの女性4名が参加する。
 
翁瑜鴻さんはペンネーム「HOM(鴻)」で創作活動を行っている。2011年に『追尋者』で「金漫奨」(文化部主催)の「最佳潜力奨(=最優秀潜在力賞)」を獲得。2015年に開催された第1回「原創漫画大賽(COMICO)」では、金賞と人気賞を獲得した。代表作『大城小事』は2016年の「金漫奨」で「青年漫画奨」にノミネートされた。また、王小棣監督が手掛ける台湾のシリーズドラマ「植劇場(Q series)」の漫画化を手掛けたことがある。
 
2017年に英ロイヤル・カレッジ・オブ・アートを卒業したばかりの房瑞儀さんは、ペンネーム「Elainee」で創作活動を行う。過去には挿絵の専門誌でコラムを書いていたこともある。
 
林莉菁さんは、幼少期を過ごした戒厳令時代の台湾とその思い出を描いた『我的青春、我的Formosa』という作品で、2013年に仏パリに住む高校生が選ぶ「高校生ゴンクール賞」を受賞したことがある。また、パリの総合文化施設Centre Pompidou(ポンピドゥー・センター)が2012年にマンガやアニメの展覧会「Planète Manga」を開催した際には、その「台湾ウィーク」にも招待された。林莉菁さんの新作『Fudafudak閃閃発光之地』は、台湾の先住民族と環境問題を取り上げたもの。今年11月、仏クレルモン=フェランで開催された旅のスケッチに関する展示会「Rendez-vous du Carnet de Voyage」に出展し、「MEDECINS SANS FRONTIERES PRIZE」を受賞したばかり。
 
漫画・アニメーションを学ぶフランスの学校Ecole Pivautを卒業した何学儀さんは、過去に『兔子先生冒険記』などの作品を出版している。ブラックユーモアのあるストーリーを得意とする。仏「アングレーム国際漫画蔡」で新人賞を受賞したことがあるだけでなく、今年はスイス最大のアニメイベント「ポリマンガ(Polymanga)」で行われたアートコンテストでも大賞を獲得している。
 
「パリ・マンガ・サロン」は毎年、主賓国の漫画家を招待し、主賓国の展示を行っている。中華民国(台湾)は2015年に主賓国に選ばれたことがある。今年の主賓国はスイス。「パリ・マンガ・サロン」は8日から10日まで開催される。
 

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